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海の底が山になる 秩父の地質

秩父、武甲山。
龍が住むというこの地域の信仰の山だけれども、大きく抉れている。この山は石灰岩でできており、コンクリートの原料として近代以降は削り運ばれて、東京のビルの一部となりつづけている。それによって秩父の人たちも経済的に助けられてきた。それでもこの山は人々にとって神聖なものであり続け、有名な夜祭ではあの山から龍の神様を呼び盛大にもてなす。


どうして山の上に石灰岩があるのか。サンゴなど炭酸カルシウムを持った海洋生物が大量に蓄積した海底が、プレートテクニクスにより地表に浮上したことによる。秩父を含めた関東山地は明治の地質学者ナウマン博士が熱心に調査を繰り返していたこともあり、日本地質学発祥の地とも言われる。
その際に多く出てくるのが3億年前の海洋性の地質と化石だ。

正法寺の石仏群の壁面は、プランクトンが堆積してできた珪藻土だった。黒山三滝の谷底にあったのはレッドチャート。どれもずっと昔の人たちもみていただろうし、人間がいるはるか前からあったものだ。




この感覚はなんだろう。Sublimeだろうか。とにかく石は途方もない。

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