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武蔵野雑木林の今と昔 三富地域

深緑の雑木林。
所沢の北にある三富地域には、コナラやクヌギの木々がいくつか広がっている。みると、それほど大きくない。
武蔵野の雑木林は、かつては定期的に伐採され、木炭や薪などに使用されてきた農業林だった。

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対して、こんもりとした大きな木々は、農業林としての役割を終え、切られずに残ったものだ。その高い木々の影に隠れるように、資材や廃棄物置き場が散見されたりする。
高度成長期以降の雑木林の風景。

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今回訪れた雑木林は、国木田独歩や、300年以上前の人たちが見ていたものに近いという。地元農家の横山さんを中心に、落ち葉を堆肥にし、適度に大きくなった木々を薪にしたり家具などにしながら、昔の雑木林の風景を保っている。日の光が地面まで届いて、虫や草も(すごく!)活発だ。

これをみて、大分県国東半島のしいたけ農家、園田さんのことを思いだした。
園田さんはヤマに18ヘクタールのクヌギ林をもっていて、1年に1ヘクタールずつ伐採し、それをしいたけの原木にしている。
クヌギは伐採しても、切り株の端から芽が出て、すごい速さで育つ。だから、最初に伐採したクヌギが18年後には元の大きさまで育っているのだ。
園田さんは、そうしたクヌギのサイクルに合わせた農業を当たり前のように続けている。

きっとこの武蔵野の雑木林も、そうしたサイクルの中で営まれていた生活があったのだろう。

夏の雑木林を歩く。
この中にいるだけで、日常の感覚と違うスイッチが入る気がする。脳みそや身体の使い方がちょっと変わるのがわかる。子どもの時は、しょっちゅうこの感覚だったなーと思い出す。
元気になる。

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