Shutter Vol.2 ヒモ解き職人 鈴木深雪さん④ ~掬い上げるものは~
「私が感じたあなた」を切り取り綴る 「 Shutter 」
お二人目は、東京都で「ヒモ解き職人」として多くのお方の思考整理をサポートする、鈴木深雪さん。
1話目から読む方はこちらから
「物事を構造でとらえ、筋道立てて理解するのが好き」という
本来の素質に加え、16年間の企業勤めで鍛え上げた
「体系整理のプロ」としてのスキルとともに初めた
お客様の思考、体系整理としての「ヒモ解き」。
仕事は一見順調なものの、
どこかでなにかが満たされない違和感から
本当にやりたいことは何なのか、という
自身との向き合いを経て
ただの、体系整理、思考整理にとどまらない
「目の前のお客様が幸せに生きるための
本当の願いや本望を掬い上げる
人生、生き方のヒモ解き」と思い至った、2019年の終わり。
新たなステージのヒモ解き100人斬りを始めた、深雪さん。
ここに、もう一つ
「ヒモ解き職人 鈴木深雪」の進化をじわじわと水面下で深め、
ヒモ解き100人斬りを生んだきっかけにもなっただろう
ストーリーがあります。
それが、2019年から始めた
「アトリエモードの時間」
筋が通ったことが好き
だからこそ
無駄な事、横道には逸れたくない。
長年ずっと大切にし続けてきた
「論理的であること」
筋が整い、一貫性があることへの美学
自分自身への迷いなき信念があるからこそ
「思考整理のプロ」と呼ばれるほどに進んでこれた道であった一方
その道はもしかしたら
一本道過ぎて視野を狭め
何か大切なものを、見落としていたのかもしれない
そんな疑問を投げかけてくれたある本との出会いが
深雪さんの暮らし方、生き方に新しい風を吹き込みます。
それが
直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN
佐宗 邦威 著
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この本の中で、深雪さんはある言葉に出会います。
他人が抱える問題の解決ばかりに夢中になっていると、「誰の役にも立たないけれど、自分にとって大切なこと」が視界から消えていく
「他人モード」ではない「自分モード」の時間を作ろう
お客様に求められるままに
思考・体系整理を引き受けていた
まさに「他人モード」の頃に出会ったこの言葉たちは
深雪さんの胸に刺さり、自分自身に新たなる
「自分モード」の時間・・・・
誰の役にも立たない、採算も何にもないけれど、
自分にとって大切なことをする時間を与えることを、
決めるきっかけになります。
それが、通称「アトリエモードの時間」
当時、彼女は自身のFacebookでこんな風に、綴っています。
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私は、お客様の
壁打ち相手となり、頭の中を整理して、
企画書・セミナー資料などなどに
アウトプットするのが仕事だ。
話を聞いて、ここは?というところに
問いを投げかけて、出てきた言葉たちを
丁寧に宝物のように、私の頭の中の
引き出しを開け閉めをしながら
格納していく感じ。
お話した結果、
想定外のものが出来上がることもある、
何かを創り出す共同作業は楽しい。
充実している。
しかし、しかしだ、
文中の一文が目に留まった。
>他人が抱える問題の解決ばかりに
>夢中になっていると、
>「誰の役にも立たないけれど、
>自分にとって大切なこと」が
>視界から消えていく
書籍に書いてある、
「他人モード」ではない
「自分モード」の時間を作ろうという
メッセージが心にひっかかって。
・人に求められるからとか
・一般受けするからとか
・過去の経験上これが正解だよねとか
・いわゆるこれが成功セオリーだとか
これはいわゆる「論理」だ、
これをすればこういう結果が得られる、
とある程度の方程式が浮かぶ。
そういうものじゃなくて、
自分の中から込み上げる
もっと「内発的なもの」が加わり、
当初想定されなかった何かを生み出す。
というメッセージに
正直、私もその世界を見てみたい!と
強く思った。
・
自分モードの時間が
何を生み出すかは、今は分からない。
だけど、
打算とか、採算とか、
そういうのを一旦捨てて・・
自分の中の「子ども」が
最高に駆けずり回る、そんな時間を
毎日の中に確実に増やしていこう!
そう思い始めたのが、
毎日15分でも、30分でも、
時間を確保して、
自分から湧き上がる
やりたいことに取り組む
「アトリエ時間」だった。
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これを彼女は採算度外視のアトリエモード時間ともいい
どんなに短い時間でもいい
ただただ、
なんの採算もなく、自身の心の感度に従って
興味があるもの
好きな事
知りたい事
やりたい事
をするための時間を大切にし始めます。
長野県戸隠で作られる籠について、興味の赴くままに調べ、書きまとめたり
(このまとめ書きの一枚が、ヒモ解き100人斬りのまとめシートの前進)
人の人生の話を聞くことが好きな自身に気づき、
YouTubeで好きな人、素敵な人の話を聞くチャンネルを作成。
これは
社会や何かや誰かのニーズを察知し、応えていくのではなく
ただただ
なんの根拠も筋道も確証もない
湧き上がる自分自身からのニーズに応える時間
そこには、「論理」はないけれど、
楽しさと喜び、感動があり
その感動を表現することがさらに喜びになる
いちばんの採算は「自分自身の、感性と心の充足」。
これまで、
常に論理的であり、筋道を通し
根拠を大切にしてきた深雪さんにとって
このアトリエモードがもたらしたものは
とても大きかったそう。
これまで「論理的であること」を優先してきたがゆえに
ことばの表層で理解したつもりになってきたことに気づき
人には、「論理」では片づけられない
感性の部分・・・いわばアート的側面もあり
時に矛盾したり筋道のない場所で花開くそれが
人の暮らしや生き方、人生を豊かにする
大きな要素の一つでもあると、感じられるようになったそう。
この気づきによって
深雪さんのヒモ解きは
論理、ロジックで筋道を通していく
いわば、道路整備の突貫工事のような
思考・体系整理のヒモ解きではなく
論理で道を作り、基盤をつくりながら
家も木々も花もあり、
そこにゆたかな感情ある人が生きる「街」を作るような
息遣いあるヒモ解きへと変化。
持ち前のロジカルシンキングとともに
感性もフルに生かしながら
対話のラリーを通して
目の前のお客様がこれから作ってゆく
未来の世界
その景色を一緒に作り見届けるような気持ちで
お客様が大切にしたい世界観を見つけ
育てていくことを応援するためのものへと
進化していきます。
ヒモ解き職人として生きるご自身を見つめ直したこと
アトリエモード時間を持ち、ご自身の感性を開き
論理と感性のバランスを取り始めたこと
この二つが折り重なり
ヒモ解き100人斬りを進めていく深雪さんは
今、新たなる可能性を、ご自身の仕事に感じているそうです。
次号はこちらから。
深雪さんのヒモ解きについては、こちらからどうぞ。
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