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金子修介
2020年6月11日 14:04
1978年6月半ば、『人妻集団暴行致死事件』の撮影も、いよいよ佳境に入った。都市化する旧農村青年たちの、“セックスしたい”ばかりの欲望あふれる日常を、リアルに淡々と撮りながら、彼らはついに「犯罪」への境界線を越えて、邪鬼となる。真夜中の川の土手道、酔いつぶれている泰造(室田日出男)の上で、3人の若者は話す。「やっちまおうか、あの母ちゃん」・・・するりと犯罪者の顔になってしまう古尾谷雅人
2020年5月31日 18:16
日活に入って、1ヶ月で白井伸明さん、根岸吉太郎さんと二人の監督を経験したわけだが、所内では、いろいろな監督を目にするようになって、顔と呼び名を覚えていった。ガイコツのように痩せている神代辰巳(クマ)さんは、芝生にゴロ寝しながら、ニヤニヤとご機嫌で煙草をふかしていたり・・長身の西村昭五郎(ニシ)さんは、鼻歌(多分シャンソン)を歌いながらブラブラと歩き、すれ違う旧知のスタッフに「残業だよ」と苦
2020年5月1日 17:21
調布の日活撮影所。広い、明るい、助監督試験面接会場。片手には大きな映写機を持ち、もう一方の手には、直径7.5cmの8ミリフィルムを持って、面接官の前に突っ立っている・・・3分間の『変身』はもちろん、カフカの「ある朝目が覚めたら毒虫になっていた」のパロディーだ。出演者は二人。一人は高橋朋子・・・三鷹高校3年の時、受験勉強しながら作った30分の失恋映画『水色の日射し』のヒロインで、