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中国語の四字熟語(成語)を構造で分類してみた

中国語の四字熟語を「構造」の観点で分類してみました。

この分け方が唯一の正解というわけではありませんが、1つの解釈として、四字熟語を覚えるときの参考として、気軽に見ていただけたらいいなと思っています。

各分類ごとに代表的な四字熟語の例も挙げています。
成語の意味や解説は付いていませんが、これから追記していく予定です。


■1.漢字4文字の不規則並列

漢字4文字が不規則に並んでいるだけの四字熟語は、それだけで一括りに分類しました。

聲色犬馬、喜怒哀樂、驕奢淫逸、吃喝玩樂

■2.フレーズ

漢字4文字がただ並んでいるだけではなく、文法などのルールに従って並んでいるタイプ。
多くの四字熟語がこのタイプに分類されます。また、それらの四字熟語が「どんなルールに従っているか」によって、さらに細かく分類することができます。

▶2-1.主述構造

定義:「主語+述語(+目的語)」のルールに従っているもの
判別方法:四字熟語の中に主語が1個ある

螳臂當車、八仙過海、杞人憂天、萬馬奔騰、笨鳥先飛、波瀾壯闊、功成不居、得不償失、兩全其美

▶2-2.動目構造

定義:「動詞+目的語」のルールに当てはまるもの
判別方法:動詞と目的語があり、且つ主語と補語がない

明察秋毫、巧奪天工、包羅萬象、班門弄斧

▶2-3.動補構造

定義:「動詞+補語(+目的語)」のルールに当てはまるもの
判別方法:動詞の後ろに補語がある

顛撲不破、奮不顧身、大驚失色、驚慌失措、漫不經心、貽害無窮

▶2-4.修飾構造

定義:「限定語+名詞」或いは「状態語+動詞」のルールに当てはまるもの
判別方法:主語や目的語などを含むような文の形になっておらず、名詞か動詞として機能する

官樣文章、世外桃源、恍然大悟

▶2-5.兼語文構造

定義:「1つ目の動詞の目的語が、2つ目の動詞の主語を兼ねる」という兼語文の特徴に当てはまるもの
判別方法:四字熟語の2文字目か3文字目は必ず動詞で、その目的語の後も必ず動詞になる

放虎歸山

▶2-6.複文構造

定義:1つの文ではなく、2つの文が接続詞でくっついたような形をとるもの
判別方法:四字熟語の中に“又”や“而”などの副詞や接続詞が入る

欲言又止、欲速不達、學而不厭、挺身而出、寧死不屈、寧缺勿濫

▶2-7.連結構造

定義:四字熟語の前半2文字と後半2文字でそれぞれ独立しているもの
判別方法:四字熟語を「前半2文字」と「後半2文字」に分割することができ、分割後もそれぞれで意味が通るもの

志大才疏、承前啓後、水到渠成、得心應手、懲前毖後、心狠手辣、咬文嚼字、冷嘲熱諷

このタイプの四字熟語は、前半2文字と後半2文字に一定の関係性があります。
「どんな関係性があるのか」を基準に、さらに細かく分類していきます。

▶▶2-7-1.対比関係

定義:前半2文字のものと後半2文字のものを比較する
判別方法:前半と後半で反対の意味になっている

志大才疏、撲朔迷離

▶▶2-7-2.前後関係

定義:前半と後半で時間的な前後関係がある
判別方法:「“先”~“然后/再”~」で表現できる。時間的な前後関係があり、且つ因果関係や条件、目的などの関係がない

承前啓後、得寸進尺、得隴望蜀、畫龍點睛、畫蛇添足、居功自傲、勞苦功高、亡羊補牢

▶▶2-7-3.因果関補

定義:前半と後半で因果関係がある
判別方法:「“因爲”~“所以/而”~」に当てはまる。時間的な前後関係に加えて、前半が原因、後半が結果を表している

水到渠成、雲霧迷蒙

▶▶2-7-4.条件関係

定義:前半が条件、後半がその条件下で起こる事柄を表す
判別方法:「”只要”~“就”~」に当てはまる。前半が条件、後半が結果を表し、「その条件が満たされれば自然とその結果になる」というニュアンスになっている

得心應手、舉一反三、名正言順、珠玉成器

▶▶2-7-5.目的関係

定義:前半が手段、後半が目的となる
判別方法:「~“是爲了”~」に当てはまる

懲前毖後、拔苗助長、溫故知新、屏氣凝神、剋己奉公

▶▶2-7-6.並列関係

定義:前半と後半がほぼ完全に並列の関係になっている
判別方法:前半2文字と後半2文字を入れ替えても意味が崩れない

兵荒馬亂、呼朋喚友、南腔北調

この並列関係の四字熟語もさらに細かく分類していきます。これが最後の分類です。

▶▶▶2-7-6-1.主述+主述

定義:前半2文字と後半2文字がそれぞれ「主語+述語」の構造になっている

心狠手辣、兵荒馬亂、人困馬乏、身敗名裂、豐衣足食、半信半疑、理屈詞窮

▶▶▶2-7-6-2.動目+動目

定義:前半と後半がそれぞれ「動詞+目的語」の構造になっている

咬文嚼字、呼朋喚友、博古通今、同甘共苦、挑肥揀瘦、出頭露面、昂首闊步、背信棄義、閉目塞聽、含英咀華

▶▶▶2-7-6-3.修飾+修飾

定義:前半と後半がそれぞれ「限定語+名詞」或いは「状態語+動詞」の関係になっている

冷嘲熱諷、南腔北調、甜言蜜語、鳳毛麟角

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