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倒され、のこぎりで切られた木

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【詩】
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#変態

【詩】ふたりは音楽

鶺鴒の高らかな歌声は 銀色 咲きそめし花水木の梢より さし出される光の指 居ずまいをただして 四番目の指へとおさまる その啼き声のカンタータは 銀色のまばゆい指輪 風にめくれるページの音は 草色 初夏の午前 書に耽るきみの栗色の目が 夢のつづきを追うように 空の果てへと移ろえば ページの鍵盤が奏でるのは 草色のグリッサンド 煉瓦路の落葉を駆けゆく音は 深紅色 出会うより以前の日々を 記した二冊のノートブック ひと日会う度ひと日を破り 彩雲の空へとふり撒くぼくら 夕陽の炎の

【俳詩】アヲアラシ・初メテノ

     ✫ 俳句に詞書をそえました ✫ ――――――――――――――――――――――――――――――――――      青あらし情事始めに晒す腋 消えた手花火踏んづけて 裂かれた火薬に蘇生無理 昨夜のゴミはだれかの手紙 人目みたいにゴミだらけ 文字も書かずに爪先で 何をしたいかバレバレで ひょんな晴れ間に ハジメテみたい照れ笑い 経験ごとにハジメテ領域 なくなって 何をあげよう、何くれる? Tシャツ脱いで shower 浴びない流儀かい? (驚かないふり、ボクの流儀)