【詩】菖蒲咲く、黄色いハンマーとして
水ぐるま
烈しく水に回されて
烈しく水を蹴り返す
夢中に蹴れば いつしか
宙にあくがれ
水上0センチメートルでも
そこは空
菖蒲
黄色いのが咲いた朝
一輪だけ迷い出た
水の激しさ 岩々に
崩され尽くした彼方には
紫紺に群れる 天の河の形象
あの宙はかんけいないさ
一歩一歩
その予感を踏み固める
どこまで行っても一人
この径は
それなのに
明日 会う
壊せるものなら壊してみろよ
挑発は
ぼくのシルエットばかりが
巨大に映る姿見
明日 会う
明日と会う
カーブを曲がる気楽さ