見出し画像

就職活動では自己分析に時間をかけることが不毛といえる3つの理由

総合商社を志望する学生に、「自己分析はどうやったらいいんですか」「どこまでやったらいいですか」と聞かれることが多々あります。

私は「自分の内面に時間をかけすぎるのは無駄だから、アウトプット重視で内容を磨こう」とアドバイスしています。その理由を3つ、今回書かせて頂きました。

1.人間は多面的な生き物である

あなたの強みは何ですか?という問いは就職活動はよくあるやりとりです。

例えば、「行動力があります」と答える学生がいたとします。色々と部活やアルバイトでの活動を通じて自分自身でそう思っているか、周りからの評判か、そのように認識しているのでしょう。

さて、自分の強みは「行動力がある」と答えようとする学生も悩みはじめます。自分の強みは「本当に行動力があることが自分の強みなのか」と。

そうして、自分の強みをコロコロ変更したり、更にエピソードを探したり、何時間もカフェで悩んだりします。

もしこのような症状に陥った場合は、「人間は多面的な生き物である」ということを認識して下さい。

どんな時でも「特定な強みが発揮される人間」は存在しません。「行動力がある」といっても、恋愛は消極的とか、アルバイト先の厳しい上司の前では委縮するとか、家族には引っ込み思案と言われるとか、状況と人との組み合わせで様々な特性が表にでるでしょう。

禅問答をして、強みや弱みみついてあれこれ悩んでも時間の無駄です。人間は多面的な生き物であるなら、その状況によって発揮される面も様々。

就職活動では、聞かれるから1つを話す必要があるというだけです。

哲学的に本当の自分は何だろうかと考える時間は人生の中で大切ですが、時間が限られた就職活動においては時間の無駄だとと考えてみてください。

「考える」と「悩む」ことは根本的に異なる行動です。「悩む」は思考の堂々巡りで、「考える」は最適な答えがある前提で建設的に言語を積み上げることです。

ビジネス(知的活動)において悩むのは時間の無駄だということについては、非常に非常に名著である「イシューから始めよ」を読んでみることをおススメします。

2.そもそも「正解」を示すタイプの問いではない

現代の教育を受けていると「問い」があると「決まった答え」がセットであると思い込んでしまいます。これは現代の一種のトラップです。

「あなたの強みは何ですか」と聞かれると、自然に決まった答え(正解)があるものとして考えてします。東京都は?23区!といった感じにです。

この勘違いが、自己分析で不要な時間をかけてしまう主因です。どこかに正しい答えがあるとするなら、自分か他人の中に答えがあるものとして、答えを探しまくってしまいます。

残念ながら、この「問い」に「決まった答え」は存在しないので、雲を掴むような話です。終わりはありません。時間がかかってしまいます。

繰り返しですが、「この市場規模はいくらか?」「この企業の平均年収はいくらか?」と問いは答えがあるタイプの問いですが、「自分の強みは」「サラリーマンとして働くことを選ぶべきか」「どの企業に入社するか」といった問いには決まった答えはありません。

ですので「正解」を探すのではなく、自分なりの「回答」を用意すべく「考えること」が大切です。それを言葉として表現し、相手の反応を見ながら(評価をききながら)、チューニングする方が生産的です。

自分なりの「回答」なのでそれが評価されるかどうかは分かりません。共感されるかも分かりません。

ただそれでも心を強くもって、評価・共感されるように伝え方を考えたり、適切な会社に出会ったりすることの方が何より大切です。

3.自己分析をやりすぎると就職活動のゴールを見失う

就職活動のゴールは何なのでしょうか。

本当の自分を見つけることでしょうか。若しくは、全ての会社に評価されることでしょうか。私は違いました。

私の場合は、優先順位的に望む能力がつく業態・環境で、一定の生活水準を保てる給与で、自分の特徴が活かされる、特定の会社の人に評価されたいと考えていました。

その上で、自分の特徴を評価されるような形で表現し、相手に伝え、評価されることが、自己分析でした。

ですので、「何が本当の自分か」とは考えませんでした。本当の自分は多面的で一つでないからです。

ですので、最短でゴールにたどり着くために、自分の特性を挙げてみて、信頼のおける社会人に評価を聞いてみるのが一番早いと考えていました。

割り切って「自分はAという特性があります。具体的には過去Bというシュチュエーションで発揮されました。御社でも貢献できると考えています」という形で伝えてみるのはいかがでしょうか。ただ、外部からの評価を得てトライ&エラーで修正していくのです。

この過程が一番効率的な自己分析だと考えていました。

あまりに、自己分析について、内面で悩み過ぎる学生が多いので、ご参考にと思い書かせていただきました。

皆様に少しでもご参考になりますと幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?