ルーブル美術館で展示!
初めてのフランスでストーカーされて泣いた話
『ルーブル美術館で作品を展示する』
アーティストを始めてからずっと憧れて、夢に思い描いていたことがついに実現しました。
そう、今回書くのはパリの展示会で起きたおもしろい出来事。
◼️ 見せ方(演出)はやはり重要
フランスはパリ。
2022年10月21〜23日にルーブル美術館の地下で開催されたアートフェア「Art shopping in paris」に参加してきました。
フランスはおろかヨーロッパに行くのも初めてで、街並みは皆が言う通りやはり芸術的だったし生ハムとチーズがめちゃくちゃ美味い。
そんな観光話もてんこ盛りですがそれはまた今度するとして、今回は展示会に「出品する側」からの視点をお話します。
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僕のブースでは鉛筆画を展示していて、いつも通りgirls be strongをテーマに“変身して強くなる女性”を描きました💨
2021年から作品のコンセプトにアニメの要素を取り入れていたからか、足を止める方々は日本のアニメ文化が好きな人が多かったです。
これから来るメタバースの時代において日本のコンテンツが力を持つことをふまえての制作だったのですが、このような来客の傾向が概ね計画通りだったのが自分でも予想外でした笑
アニメ文化と言えばファンタジーの世界観ですが、展示会場(今回はブース)も舞台美術のような非日常的空間に作り込むことが大事であると思いました。
他のブースも見て回ったのですが、人気があった所はやはりその国の文化がビジュアライズされていて、空間もしっかりデザインしていました。
まるでその国に来ているかのよう。
肝心なのは来場者にとって非日常を感じてもらうことで、
「もっと追いかけたい」
「皆にシェアしたい」
「応援したい」
という気持ちを沸かせる=ファンになってもらうことが人気作家になるための第一歩であると感じました。
つまり鑑賞者の心をいかに揺さぶれるかが非常に重要で、僕の作品の世界に入り込んだかのように錯覚するくらいの空間作りを僕はすべきです。
しかし言うは易しで、どんな世界観か、その予算はどうやってつくるのか、課題はたくさん。地道にクリアしていくしかありませんね💨
そのあたりの戦略はいつもお世話になっておりますキングコング西野さんのオンラインサロンの記事で学ばせてもらってます。クリエイターはもちろん事業を営む方々にもめっちゃオススメですよ!(突然の回し者感)
↓
西野亮廣エンタメ研究所
◼️NFTとしてのリアクション
日本のアニメ文化とはまた別の視点から興味を持ってくださった方もいらっしゃいました。
それはNFTに興味をお持ちの方。
日本ではあまりNFTが話題に上がりませんがフランスも同様にまだまだ詳しい人は少ない印象でした。
しかしながら数は少ないもののNFTに関心のある方がブースに来られて「NFTに興味はあるかい?」「NFTはやらないの?」と聞かれました。
こういった視点で見てもらえること自体、実は僕にとってかなりの収穫で。
これからの世界でデジタル化は不可逆的であることは明らかであり、先に述べたアニメの要素を取り入れているというのもコンテンツビジネス・IPビジネスが隆盛していくことを見越してのことでした。
今後、自分の作品の女性達をキャラクター化する予定で、今はデザインを考えています。
NFTやゲームなどのメタバース市場へ参入するために、アニメ、イラスト、3DCGのタッチでキャラクターデザインをして、アートを起点とした独自の世界観を構築する。
こういった目標を掲げて昨年から作品制作をしてきました。
なので特に何の説明もすることなくお客さんからNFTの話を持ちかけてくれたことは、狙い通りに制作を進められているという確信を持てたので嬉しかったです。
◼️鉛筆画の限界
各国、各アーティストと一緒に作品を並べてみると鉛筆画はやっぱりおとなしく見えるなぁと感じました。
実際、鉛筆でゴリゴリに描き込んでも絵の具やデジタルと比べると黒色は薄く感じてしまうし、モノクロの画面もカラフルなものと並ぶと地味に見えてしまう(最近は有彩色も使ってますけどね)。
鉛筆画がいかに優れているかを上手いことプレゼンして真実をうやむやにすることもできますが、ここは正直に白状して、備忘録も含め客観的に分析して改善していくべきでしょう。自分のためにも。
もちろん鉛筆(による写実画)は狂気じみた描き込みの迫力を感じさせるし、一般の方々からしたら異次元の技術力で驚かせることができるので良いところもあります。
しかし現代のアート業界は技術力が評価される時代ではなくなっていたりするのもあり、努力では超えられない鉛筆画の限界を感じてしまうこともあります。
まぁ、その事はアーティストを始めて間もない頃から額装屋さんに「鉛筆画は大変だけど頑張ってね」と言われていたし、その理由も分かっていたので難しい挑戦であることは既に了解済み。
じゃあもう鉛筆画を描かないのかと言われたらそんなことはなく、何かしらの工夫をして「別の所に価値を作る」というのが結論です。
男だったら自分の愛した画材と手法でのし上がってなんぼだろうが!!(突然のマンガの主人公感)
ではどうやって絵以外の所で価値を作るかというと、、
・作家のストーリー(人生)
・制作理念
・美術史の文脈の中での自分の立ち位置
この3つを表明して作品に深みを出すことがアートの世界ではセオリーなので、自分の世界観の作り込みの方をしっかりとしていこうと思います。
また、他にも独自の対策も考えていて、それをどうやって着地させてブランド力をつけていくかが今後の課題。前述の“キャラクター化”もその対策のひとつですね。
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初めてのヨーロッパ。憧れのパリ。
そこでの展示会では新しい発見もありつつ、今までやってきたことの再確認も多かった印象です。
『これまで描いてきたアナログ作品を軸として、これからの世界に向けてキャラクターデザインをして、デジタルの世界で活躍させたい』
その想いを言葉や文化の違うフランスの人々にも作品を通して感じてもらえたことで、自分の中でかなり確信に近づくことができました。
なのでこれからやるべきは自分の世界観を地道にコツコツと構築していくこと。
このような活動域を広げていくことをせずに、ただ鉛筆画だけ描いているようならば、人生はだいぶハードモードになりそうです。
P.S.
そうそう。アートフェアでは不特定多数の人が行き交っていたのですが、、
実はある人物にずーっとつきまとわれていたんです…😱
こちらがその証拠写真…↓
めちゃくちゃかわいい恐竜好きの男の子が度々僕のブースに来ては喋ったりお絵描きしたりお菓子くれたりしてました笑
僕が壁に恐竜のライブドローイングをしてたらエラく気に入ってくれたもよう。
同じアートフェアに参加していたドバイブースのオーナーの息子さんで、子供にとってはよく分からんアートだらけの中、恐竜は唯一楽しかったみたいで僕のブースに入り浸っていました。
会期終了後の撤去作業中も僕のブースでおしゃべりしてました笑
恐竜は国を超えて仲良くなれるものなんですね。最終日お別れの時は「一緒に写真撮ろー!」って来てくれました。
そんなことされたら泣いてまうやろー!!笑