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「九州男児と自分で言う人は」・・・~博多華丸・大吉のセリフを契機に男性上席の九州ルールを考える~福岡論3

(本稿は、福岡論という九州論かもしれないが)

今や東京で大活躍の博多華丸・大吉。一時は、なんでも福岡になぞらえて話を展開していた。東京に住んでしばらくたつので最近はそんなことも減ったが、最近興味深いことを言っていた。

東京のレストランでは上席(壁側の席)は女性が座り、通路側に男性が座るが、九州では逆で上席には男性が座る。今は自分も東京式ルールに慣れたが最初は違和感があった。ただ、最近は東京式ルールが全国標準であり、九州式は、今やローカルルールであることが女性にも知られてきており、複雑な気分を抱かれているようだとのこと。

これは西洋式のレディーファーストのルールに由来するものであろうが、西洋レストランだけでなく、和風の店でもほぼこのルールが浸透している。ただ、西洋式ルールが入り込みにくいお座敷などは、男性が上席に座ることもあるようだ。

自分は福岡にもよく行くが、これは気づかなかった。居酒屋などでも女性が上席に座っていることが多かった気がするが。転勤族が多い店だったのかもしれない。あるいは、全国標準ルールに移りつつある時期なのか。男尊女卑とまでは思わないが九州では、男性が優先されている社会と感じることはある。

自分は北海道出身だが、九州の女性に知り合いが多い気がするし、交際したこともある。ある日、一緒に浅草のお祭りを見に行った。雨ではあったが大変な人出で、後ろの列では祭りの様子がよく見えない。前の人が列から離れたときに、前方へ行こうとして彼女の手を引いたが、傘もさしているので、狭いスペースに入ることを遠慮したのか、「私はいいから、前の列でお祭りを見てきて」と言う。それで一人で前の列へ入り、祭りを見た。祭りは最高潮で20分以上見た気がする。後ろの列で傘をさしている彼女の許へ戻り、「待たせてごめん」とあやまると、「横に同じ年くらいの女性がいて、その彼もお祭りを見るために、前の列へ行ったといってた。男の人はお祭りが好きだねって、盛り上がっていたの。彼女も九州から上京したと言ってた」。自分の行動を思い起こすと、自分一人だけ前でお祭りを楽しむな、と言われそうであるが、九州では男のお祭り好きの気風を立ててくれているように感じた。

彼女は、九州人に多い濃い顔が嫌いとよく言っていた。「濃い顔って、西郷輝彦や郷ひろみ、とかだろ。男前の典型タイプだと思うけど」「それは、最上級の例を思い浮かべているからで、そうじゃない人のほうが多いのよ」「なるほど。でも九州男児って、男らしくて格好いいように思うけど」「どうかなー。ただ確実に言えることは、九州男児と自分から強調する人は、まず見掛け倒しということね」

これは反発を買いそうなセリフではある。九州では歴史的に男性の地位が高いといわれてきた。だが、博多華丸・大吉が言っていたように、今までの男性を立ててきてくれたルールが少しずつ変貌しつつある時期なのかもしれない。次に居酒屋に行った時の男女の座り方を拝見してみようか。

#博多花丸・大吉 #福岡 #浅草

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