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倖せのかたち

最近、週一ペースで寿司を食べている。

スシローが自宅のすぐ近くにあるのが悪い。スマホで注文しておけば、指定した時間にロッカー型の冷蔵庫に入れておいてもらえる。QRコードをかざせばボックスが開くという仕組み。店員にも会わず、寿司が手に入る。満員の店内を眺めつつ、颯爽と帰宅できる快感。癖になってしまった。

日曜日の昼に持ち帰って、昼間からビールとともにやる。これ以上の幸福はないのではないかと思える時間だ。寿司を食べるということだけで、とんでもなく贅沢をしているような気持ちなのに、そこに輪をかける「昼ビー」。この背徳感がたまらない。ビール二缶も空ければ気持ちが良くなって、そのまま昼寝することもしばしば。貴重な日曜日に昼寝なんてと思うかもしれないし、ひと昔前の自分ならそう思っていたが、休みなんだから休んで何が悪いと開き直れるようになった。心地良く休むのもまた技術なのである。

そんなスシローさんも、昨今の物価上昇の波には抗えず、10月から値上げする。スシローの理念は「うまいすしを、腹一杯。うまいすしで、心も一杯。」だそうだ。クオリティを下げて値段を維持する選択肢はなかったということ。理念に則した立派な判断だと思う。消費者が値上げを許容しなければ、いつまで経っても賃上げに繋がらない。目の前の値上げに怒ってばかりいたら、日本の企業はいつまで経っても値上げに踏み切れず、自ずと賃金も上がらない。経済はそうやって回っている。

先日、日経にこんな記事が載っていた。

サラリーマンのランチ平均金額は、この10年で一番高いそうだ。男性で649円、女性で590円。確かに自分もこんなものである。使う人はちゃんと使っているのだと思う。繰り返すが、経済はそうやって回っている。

もちろん、高ければ良いというものではない。自分が納得できるお金の使い方をしたいよね、という話。私は寿司を食べて、ビールを飲んで、昼寝をするのが最高だが、みんながみんなそうじゃない。倖せのかたちは自分だけのものなのである。

倖せのかたちにとらわれず
自分だけの生き方信じて

『倖せのかたち 〜Send My Heart〜』/THE ALFEE

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