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ひとり読書会

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とある読書会メンバーの共同マガジンです。基本は本に関連した内容でありつつ、ルールは特に設けてないので、各々がそれぞれの目線で雑談など、気楽に投稿しています。
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#読書感想文

寛容であることの重要さ―ヴォルテール『寛容論』―

毎月のように参加している読書会に今月は参加できても聞き専になる見込みである。そこで今月紹…

van_k
4か月前
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観察者を観察する何者かの存在を感じる小説―朝井リョウ『何者』―

『何者』に用意された落とし穴。落ちました。見事なまでに落とし穴にハマったことに気づいたと…

van_k
1年前
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次世代技術が持つ可能性とリスク―小林雅一『ゼロからわかる量子コンピュータ』―

次世代技術について学べるとともに、「ゼロから」という意味を考えさせられるものあった。 量…

van_k
1年前
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読書会より―『一九八四年』③洗脳の無限ループとしての「二重思考」―

『一九八四年』だけで3回目…。だが、「二重思考」に触れないわけにいかない。そして、読書会…

van_k
1年前
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読書会より―『一九八四年』②物事を鵜呑みにする恐ろしさ―

前回は「言葉」、特にニュースピークに焦点を絞って『一九八四年』の世界を見た。今回は、別の…

van_k
1年前
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読書会より―『一九八四年』①「言葉」の大切さ―

今月も恒例の読書会が開催された。今回はテーマ設定をした上で、各自がそのテーマに沿った本を…

van_k
1年前
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歩みも考えも深化させる大切さ―ヤマザキマリ『歩きながら考える』―

確か2020年の冬だったと思うが、初めてヤマザキマリの書籍『たちどまって考える』を買って読んだ。 コロナ禍で日本に長期間いることになった(従来は日本とイタリア、その他の国を行き来する生活だったらしい)ヤマザキがパンデミック下の中で、自らが考えたこと、そして取り組んでみたことなどをまとめた本である。その「続編」ともいうべき本『歩きながら考える』を最近買って読んだ。 国内外への移動制限がかなり改善されてきた中で、自宅と近場のみの外出から、国内の行き来、そして国外への行き来と、

読書会より~先人たちの文化や考えから学ぶ~

11月の読書会も無事(?)終わり、ある人は展覧会へダッシュし、ある人は失敗談を語り、それぞ…

van_k
1年前
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人々の決断の真意を探りながら読む小説―三浦綾子『天北原野』―

先日読書会があり、その記録は以下の記事にまとめられている。毎度のことながら、この労力に恐…

van_k
1年前
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日本最北の書店で買う「日本最北限」の地を讃える歌集

前回の記事で書いた、稚内での散策中、本屋を見つけた。最北の本屋かもしれない、そう思いつつ…

van_k
1年前
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日本一の秘境駅への誘い―『礼文華観光案内 微改訂』―

「秘境駅」というのをご存じだろうか?鉄道で行くのも、クルマで行くのも、場合によっては徒歩…

van_k
1年前
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"地域限定"の本―『芸備線 中国山地の沿線物語 東城駅~三次駅』―

今夏、広島県庄原市にある東城というところへ行った。旧出雲街道沿いに栄えた町だ。近年は過疎…

van_k
1年前
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家裁調査官の成長物語―柚月裕子『あしたの君へ』―

最近は諏訪への旅行だけでなく、勤務でも遠方に行く機会が多かった。そういう時は道中や宿で小…

van_k
1年前
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小説の世界と現実を対比させる本―ジョージ・オーウェル『1984年』―

次回の読書会は以前読んだ小説『コンビニ人間』。個人的にはちょいと気が重い小説だが、あまり長くない。改めて読んでみると以前読んだ時とは違った印象を抱くかもしれない。 さて、今日は気が重くなるが、考えさせられる小説を1冊。 ジョージ・オーウェル『1984年』 ディストピア小説の世界的な代表作の1つだ。ディストピア小説と言うだけあり、率直に言って、物語の展開、結末にはぞっとする。 自宅内も含めた監視。「ビッグブラザー」への絶対服従。厳しい言論統制。ニュースや過去の改ざん。慢