瀬戸の海

母の実家が千葉県だったので、 子供の頃の夏休みは、 九十九里浜(正確には 太東)での、 海水浴が定番でした。

さらさらの砂の 長い浜、高く 強く 打ちつける波、どんどん深くなる海水。その先は、どんなに目を凝らしても、水平線しかみえない…そんな 海でした。
多くの人が 海水浴を楽しみ、海の家が並んでいました。


時は過ぎ、今は 私の主人の出身地、瀬戸内海(正確には広島県の尾道から見る海) を、夏休みに 眺めることが、多くなりました。
そして、この海が 子供の頃の 海と、全く違うので、とても、新鮮な気持ちで眺めています。

波が無く、海の先には 数々の島があり、浜も石が混じりゴツゴツしていて、小規模。
海の先をみても、水平線どころか、島しか見えず、向かいの島へ渡っても、また島。その先にも島、島、島、島、、、。水面も湖のような静けさです。


尾道市の向かいにある島(向島)など、近すぎて、海の幅が狭く、どう見ても 運河にしか見えません。とてもじゃないけれど 海水だとは…本当は 淡水なんじゃないか?。と疑ってしまいます。面白い地形です。



子供の頃、何度も見た夢に
向こうに見える島まで、泳いで 逃げるというのがあり、(遠浅の 綺麗な海で、泳げるくらいの距離にすぐ島がある)当時は、そんな景色は見たことが、無かったので、 夢から醒めると、
『あそこは何処だったんだろうか?』
また、あそこに行きたいのに、と思ったものです。


【海の向こうに 見える島】

というのは、個人的にとても懐かしいような、心惹かれる風景です。


私は“埼玉県”っていう、海が無い県で、育ちました。
ここは 生まれ育った環境とは、全く違う環境ですが、今では、主人の故郷のこの景色が、私のもう一つの“海” となりました。

結婚という行為の面白い所だとおもいます。
相手の 生まれ育った所まで、受け入れるとうことが、結婚でしょうか。

この景色は、いつまでも眺めていられます。

って いうことは、逆に主人にとって、埼玉県が.....。
そう思うと、尾道に比べて 良い所や、美しい景色、名物など 何もなさ過ぎて、本当に申し訳ない気持ちで いっぱいですが、

『埼玉は、何もない所が、良い所なんだよ。』
って言っています。

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