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月刊 編プロのケーハク

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シュッパン前夜メンバー、編プロのケーハクの記事まとめ。出版界のあるある、新人ライター&編集者向けのスキル解説、出版界の問題や課題について。
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2020年12月の記事一覧

本の編集って、どんな仕事なの? たとえるなら「本の監督さん」です。

 「本の編集者」のイメージって、ありますか?   誰もが知っているレベルでいえば、国民的アニメ「サザエさん」に登場するノリスケさんの職業が出版社に勤める編集者。普通の人であれば、作家の伊佐坂先生の家に「原稿を受け取りに行く人」くらいのイメージしかないですよね?  プロの編集者である私も、最初は「先生、原稿まだですか?」くらいのイメージしかありませんでした……。  でも、編集者といっても、扱う媒体によって仕事の内容は大きく異なります。ノリスケさんの場合は、いわゆる「文芸編集

今宵、編(へん)な人たちと、本の深みへ。 『シュッパン前夜』立ち上げのご挨拶

あるとき、ふと思ったんです。 「このままだと、10年後も同じことをしながら、ぼやいているだけだな」と。 出版不況が叫ばれて早10数年。たしかに、出版各社においては時々大ヒットこそ出るものの、業界を全体的に見ればいい話は聞きません。 複数の出版社とつながりを持つ編プロに所属する私からすると、こんな状況なのに、出版各社が小競り合いみたいにちまちまとベストセラーの奪い合いをしていても、業界全体は尻すぼみになるだけではないか? と感じていたのです。  「いずれ誰かが変えて