20200319_新大学生に勧めたい10冊

 twitterで数日前に流行った、#新大学生に勧めたい10冊。やってみたくなったので、載せてみます。
 しかし、しかしだ。我ながら、ずいぶんと青臭い、どストレートなチョイスになったなぁ……。
 人によっては、「こんなん中学で読破してるわ」という早熟な方もいらっしゃるでしょうね。
 でもそういう方々には、どうぞこの先も未踏の荒野を独走し続けていただくことにして(笑)、これから読書という“沼”を趣味にしようという奇特な(?)若者に、郊外在住のしがないおっさん看護師が「まだ読んだことなかったら、どうかな?」と選ぶ10冊が、以下になります。

『地下室の手記』ドストエフスキー
『ツァラトゥストラかく語りき』ニーチェ
『デミアン』ヘッセ
『仮面の告白』三島由紀夫
『セヴンティーン』大江健三郎
『十九歳の地図』中上健次
『69』村上龍
『さよなら、ブルーハーツ』外山恒一
『ああ正負の法則』美輪明宏
『七帝柔道記』増田俊也

 う〜ん、やっぱり、どストレートな気がするな……。
 上から8冊目までの文学作品(プラス外山恒一)は、それこそ「俺は何者にだってなれる」と自意識パンパンなうちに読んでほしい、どスタンダード。
 やっぱり若者には、つっかえ棒が必要なぐらいの過剰な自意識を大事にして、若気の至り全開のままブッ飛ばしてほしいと、郊外在住のしがないおっさん看護師は思います。
 でも、よっぽどの才能か強運に恵まれない限り、その根拠のない自信がぐしゃぐしゃのぺしゃんこ、シオシオのパーになる時が、いつか必ずやって来ます。
「俺は何者にだってなれる」って自意識がぺしゃんこになったその時に、読んでみてほしいのがラストの2冊。
 打ちのめされて大いに傷ついたタイミングで読んでみると、人の痛みに触れることができるようになり、いい塩梅の「中庸」に近づけるかもしれません(笑)。

 まあ、僕も相当の遅読なので、『カラマーゾフの兄弟』(ドストエフスキー)も『豊穣の海』(三島由紀夫)も『邪宗門』(高橋和巳)も、読了するのに恐ろしいまでの月日を要したし、生涯で読破できた冊数なんてタカが知れてるんですが、やっぱり読書は自分にとっては、アイデンティティの構築には必要不可欠なものなんです(赤面)。
 まだまだ未読の名作が山ほどあるんで、これから積極的に出会っていきたいですね。
 こんな歳ですが、未知の出会いに期待を膨らませられるのは、けっこう幸せなもんです。

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