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本の紹介 Part1

みなさん、このご時世でどのようにお過ごしでしょうか。ぼくは特に変わったところもなく毎日お湯割り飲んで元気に過ごしてます。

まあなにをすることもなく暇なので、本の紹介でも始めてみたいと思います。前代未聞のように見えるこの状況でも『この状況、昔読んだあの本に引っかかるなあ』ということも結構あったので、それも絡めて紹介していければいいかなあと思います。

まずは阿部謹也先生の『世間とは何か』です。今現在の日本では自粛警察とか『コロナお断り』であるとか、同調圧力としての『世間』がとりわけクローズアップされています。この本では中世ヨーロッパ史の大家であった阿部先生が、その『世間』が歴史的にどのように生まれ、日本社会に浸透し、そして今に至るまで残っているのかを分析しています。その上で今後日本人が乗り越えていなければいけない課題とはなにか、ということを示した著作になっています。

二冊目は『暴力と不平等の人類史』です。要約すると『戦争や疫病みたいなめちゃくちゃな破壊が起きると、金持ち連中の財産がめちゃくちゃになったり、貿易ができなくなったり、労働者が少なくなってコキつかえなくなるから平等がくるぞ』という本です。戦争や疫病といった一大事が人類社会に与える影響を、膨大な時系列データを用いて理路整然と分析したものになっています。めっちゃ高いですし、めっちゃ長いので読むのには根気が要りますが、(特に今のご時世に読むのには)とても面白くて読む価値がある本だと思います。

三冊目は『台湾 四百年の歴史と展望』です。コロナの対応の素早さ、様々な知見を柔軟に受け入れるダイバーシティが脚光を浴びている台湾ですが、国際的には一つの国家として認められていない複雑な事情を抱えています。この本では数世紀にわたって大陸・ヨーロッパ列強・大日本帝国の支配下に置かれた台湾の歴史、戦後の開発独裁による経済発展の光と影、そして『中華民国』でも『中華人民共和国』でもない『台湾』としてのナショナリズムに目覚め始めた現代の台湾の展望と課題が描写されています。『台湾は一見うまくやっているようでいろんなものを抱えてこうなっているんや』ということを理解する入口としてこの本はとても良いものだと思います。

今日はこの三冊ぐらいで終わりにしたいと思います。本当は10冊ぐらい紹介したかったのですが、時間が足らないのでまたちょくちょく小出しにしたいと思います。

それではみなさんお元気で。














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