【CALLD READING】 聖母マリアから呼ばれて
時代は、1800年代の半ば、君はいまポルトガルの中西部にいて、聖母マリアが出現すると呼ばれる岩場に来ています。
噂を聞いて一度見てみたいと思い、ここにやってきました。
当時君は、今でいう雑誌の編集長のような仕事をしていました。
仕事も兼ねてぜひ体験してみたいと思って、二ヶ月間ここに滞在すればきっと何かが見られるだろう、そう思ったのです。
君は自分を鼓舞させてくれるもの、インスパイアしてくれるものなら、何にでも関心を示しました。
君の中では、人の本質は霊でありスピリットであり、さらなる高みを目指すために、仮初に肉体を借りて生まれてきたはず。
だから一瞬たりとも気を緩めてはならない。
いつも自分を感動させ、自分を高めてくれるものに出会いたい。
そんな中で「聖母マリアの出現」というテーマは、君にとって格好のテーマでした。
ワクワクしながらその時を待ちます。白と紫のベルベットに包まれ、泣くでもなく笑うでもなくそっと現れたもう。
信仰心がなければ見えないのだろうか。
呪文のようなものを唱えなければ見えないのだろうか。
村人に聞くと
そう言われた。
選ばれるとはどういうことか?
選ぶことができないもどかしさ。
運命もそうであろうか?
様々な職業にチャレンジし、チャンスを待ち続けた君にとって、もはやこれ以上待つということが耐え難いものに感じられました。
しかし当のマリアはいつまでたっても現れず、ただただ月日が虚しく過ぎていきました。
ひと月も過ぎた頃、君は思いました。
自分は何をしているのだろう?
まったく無駄なことではないか?
もっと充実した仕事をしていればよかった。
自分はやはり目に見えない世界は苦手だ。
ふた月目に入り、十日が過ぎた頃、君はそろそろここを去らねばと思うようになりました。
君は仮の住居を閉まい、岩場に軽く会釈をして立ち去ろうとしました。
その時でした。君の心に鮮明に女神のような声が届いたのは。
えっ?と思って後ろを振り向いた。しかし何も見えなかった。
気のせいかと思って再び歩もうとしたその時
今度ははっきりと心の中で声が聞こえました。
その瞬間はっきりと、紫と白のベルベットに包まれ、優しい二重の金色のオーラに包まれた貴婦人が見えた。
不思議だわ、そう思って振り返るとまったく何も見えないが、前に進もうとして歩いた瞬間は、はっきりと心で見えるのである。
驚くことに、君の魂のパターンと聖母マリアのパターンはうりふたつである。君は遠い時代にこの地上に遣わされ、今再び、心の中で聖母マリアと出会う。
聖母マリアは再びこう言う。
その瞬間、あなたの心の視野が広がった。
心の中に山が見える、と思った瞬間、その山は光る山となった。
心の中に小川が見える、と思った瞬間、その小川は光り輝く小川となった。
大きなマル◯が広がる。そのマル◯の中に多くの四角□が含まれ、こうしてあなたは編集長をやめ、別の出版社を立ち上げました。
それは当初はコールドリーディングという名前で呼ばれました。
私たちは神を呼び求めているつもりだが、実は神から呼ばれている。
コールドされている。
神が私たちに望みたもうことは、私たちの人生経験の中に隠されている。
幼少期、あなたは実の兄によって虐げられていました。
兄は女を道具と思っていました。なにもわからない無知な生き物として。確かに兄は勉強ができました。しかし兄は相手の話をまったく聞きませんでした。
そして常時兄はあなたに向かって、「お前は何もできない」と、毎日毎日言い続けました。そこであなたの才能は封印され、自分でもどうしようもないくらい反抗心が出たり、惨めな気持ちになったりしました。
やがて思春期に達したとき、人は自分の身内によって屈折させられるとあなたは主張しました。そしてこのような環境から抜け出すために、あなたは編集者の道を選んだのです。
言葉は権力よりも強い。言葉の力を用いて、この理不尽な言葉の暴力を乗り越えるために、言葉の力に磨きをかけようとしたのです。
しかし、もしマリアの意見が正しければ、私の人生は初めから仕組まれていたことになります。
ではあの痛々しい兄の仕打ちとは、一体何であったのでしょう?
そしてやがて、あなたは結論に達しました。
兄の理不尽な言葉に、いちいち反抗することはたやすい。
しかしそれでは兄と同じ次元にとどまる。
兄が私を攻撃したということは、同じように兄は自分自身を攻撃していたはずだ。兄は自分に言ったに違いありません。
「遊んではならぬ。努力しなければダメになる。お前は自分の好みを封印しなければならない。出世のためにやりたいことを我慢しなければならない」
その裏返しとして、自由に生きようとするあなたが妬ましくなり、ことあるごとにあなたを落とし、言葉の暴力があなたを打ちのめしたのです。
ではなぜそこまで兄の心が荒んだのでしょうか?
父親はそして母親は、厳格なカトリックでした。ことあるごとに、兄に事細かに注意しました。
自由を認めるよりも、従うことを親は兄に求めました。
そして兄の魂は血を流していたのです。
はじめて兄を癒そうという気が起きました。
血を流している兄の心を癒そうと思ったのです。
自分に向かって言葉の剣を発する兄でしたが、それ以上に兄の心はズタズタになっていました。
そこであなたは編集者として磨き上げた言葉の力で、兄に手紙を送りました。
すると数日して兄から返事がきました。
「君にそこまで言われるとは思わなかった。私はもう君には感謝しかない」
そこであなたは思いました。
すべての人生があらかじめ仕組まれていて、それは神からの呼びかけであると理解すると、自分の可能性がここまで広がるのかと。
君はあらためて自分の気づきに大きな自信を持ちました。
現れたマリアが本物であろうとなかろうと、大した問題ではありませんでした。そこであなたは「コールドリーディング運動」を起こしました。
すべての人の人生は、神聖な意識によって決められている。
良いことも、悪いことも、そこから得られるのはたった一つの気づきにすぎません。
私たちは富を得るためにこの世に生まれてきたのではなく、この気づきを得るために生まれてきました。
ゆえにあなたは、大なり小なり、相手に気づきを与える方向に活動が変化していきます。
あなたの本当の力は言葉の力です。
あなたの本当の才能は、気づく力、繊細な力、相手の本音を見抜く力、相手の真意を汲み取る力、そして相手の魂を根こそぎ癒す力です。
あなたはそれを今まで身体的表現によって、成し遂げようとしてきました。しかし世界全体がコロナに覆われた今、私たちは何をすべきでしょうか。
もちろん身体的メッセージも必要でしょう。
しかし、それよりもなお、重要なことがあります。
それは言葉の力を用いること、気づきの力を用いるところにあります。
これならば遠く離れていてもできます。
あなたには、気づき、そして人々を気づかせる言葉の力が宿っています。
あなたの魂の中で、この気づき、気づかせる力が今年は大きく開花することでありましょう。
言葉に力が宿り、言葉はリズムを持ち、言葉は表情を持ち、言葉は自ら飛躍し、跳躍し、旋転し、優美に踊ります。
あなたはすべてを祝福し、自らの身体も祝福し、心も祝福します。
これらの偉大なる気づきを与え給いし聖母マリアに、心から感謝いたします。
END
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