AI型教材Qubenaの特徴とその仕組み
見出し画像

AI型教材Qubenaの特徴とその仕組み

木川俊哉

こんにちは、株式会社COMPASS 未来教育部 部長の木川と申します。Qubena小中5教科のプロダクトマネジメントをしています。

文部科学省が推進するGIGAスクール構想による1人1台の端末整備がほぼ実現し、全国の学校教育の現場において「個別最適な学び」の実現に向けICT教材をどのように活用していくか、整備のフェーズから利活用のフェーズへと突入しています。その中でもここ一年間で公教育への導入が急速に進み効果が上がっているのが、AI型教材(AIを活用したアダプティブラーニング教材)です。

アダプティブラーニングとは

アダプティブラーニングとは、個々の児童生徒の学習進捗や習熟度に合わせて学習内容や学習レベルを調整しながら、それぞれに合った適切な問題を提供する学習手法のことです。

これまでも熟練の教員であれば児童生徒の状況を観察することによって一人ひとりに合わせた学習内容をプリントなどを活用して提供することは可能でした。しかし、それらは教員の経験や感覚に依存するところが大きく、また一人の教員が見ることができる児童生徒の数にも限界があります。

これらをテクノロジーによってシステム化することによって、タブレット等を通じて児童生徒のそれぞれにあった学習内容を人数の制限なく提供することを可能としたのがアダプティブラーニングです。

国内では、アダプティブラーニングにおける粒度やそれぞれの特徴に違いはありますが、複数の事業者がアダプティブラーニングに対応した教材を提供しています。COMPASSが提供するQubena(キュビナ)もその一つです。

Qubenaは、搭載されているAIが児童生徒一人ひとりのタブレット上での学習中の操作ログや解答時間、解答データ等を分析して、それぞれの得意分野や苦手分野を推測していきます。
そして、つまずく原因となっている箇所を学び直せる問題へと誘導したり、より応用的な問題を出題するなどして、常にその児童生徒に最適な出題を行っていくのです。

そのようなアプローチを取ることで児童生徒は自分のペースで効率良く学習を進めることができます。実際に様々な学習成果が表れていますが、例えば2018年に千代田区立麹町中学校で行った「未来の教室」における実証では、従来の約2倍のスピードで学習が進行し、またQubenaを使った集団に学力向上の効果が見られました。(詳細はこちら

1年生のカリキュラム(授業時間数比較)

Qubenaの仕組み

では、どのようにしてQubenaのAIは児童生徒の習熟度に合わせた問題を選び、出題しているのでしょうか。ある問題を例にとって考えていきたいと思います。
以下の問題は中学3年生の多項式と単項式の除法の問題です。

一見シンプルな計算問題のように見えるこの問題も様々な数学的要素が組み合わさっており、これを解くために必要な数学的な知識要素は以下のようなものが挙げられます。

  • 単項式の除法(中2)

  • 次数(中2)

  • 文字式の表し方(中1)

  • 分配法則(中1)

  • 文字を含んだ分数の逆数(中1)

  • 符号の計算(中1)

  • 分数の割り算(小6)

  • かけ算(小3)

数学は積み重ねの教科であるため、どんな問題にも様々な数学的な知識要素が組み合わさっており、またそれは高学年になればなるほど多くなる傾向にあります。学齢があがるほど数学を苦手とする児童生徒が増えていくのも、理解不足な知識要素が増えてくるためでしょう。

例えば、先程の問題のターゲットは「多項式と単項式の除法」の概念の理解ですが、仮に上記の知識要素のいずれか一つでも理解できていなければ正しく考えることは出来ず、正解にたどり着くことは難しくなってしまいます。

QubenaのAIは問題をこれらの知識要素に分解して、学習中の操作ログや解答時間、学習者の解答、また学習者の過去の傾向等を分析し、一つ一つ理解度を推測していきます。
そして、もし理解不足な知識要素が存在すれば、それを習得するための問題へ誘導するのです。そのため、仮に同じ問題を他の学習者が全く同じ解答をしたとしても、AIによる分析結果は異なり、次に出題される問題は異なってきます。

これは熟練の教員が児童生徒の学習の様子を観察することによって、その生徒の得意不得意を正確に推し量ることができるのと似ています。
また、Qubenaは学習者が学習を行えば行うほどAIが学習する回数が増え分析の精度が高まってきますが、これも教員が特定の児童生徒の指導期間が長くなればなるほど、よりその生徒の習熟度合いを理解できるようになるのと全く同じです。

このようにQubenaのAIは単純に「この問題を間違えたら、この問題を出題する」といったパターンで問題を選んでいるのではなく、生徒の習熟度合いに合わせて適切な問題を出題しているのです。

では、このようなAI型教材が実際にどのように活用されているのでしょうか。
次回の記事で、様々な学校での活用事例について紹介したいと思います。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
木川俊哉
株式会社COMPASS 未来教育ユニット長 https://qubena.com / Qubena小中5教科のプロダクトオーナーをしています。 このnoteでは、COMPASSでの取り組みや自身の学びについて書いていきます。