「好き」

こんにちは。サンタモニカのポールです。

皆様、お久しぶりでございます。


しばらくノートを書かない間に、泥水すすり隊に入隊したり、高橋からポールになったりと色々なことがございました。


だいぶ色々なことです。


23年間共に歩いてきた「高橋俊也」を捨て、マジで初めましての「ポール」と共に人生を歩むことになったのです。僕もびっくりしてますし、ポールもびっくりしてると思います。


泥水すすり隊加入についても、とても影響力のある兼近さんプロデュースのグループに入れさせてもらい、アルバイトを辞め(僕の場合お爺ちゃんからお小遣いをもらうのを辞め)、芸人としての意識や周りの環境がどんどんと変わった大きな出来事でございます。


我々のことを、泥スス加入を機に知っていただいた方や、別の媒体で最近知っていただいた方もいらっしゃると思います。


ということで、、、、





今回は、、、、、








友達の石井航平のお話をします。








よろしくお願いします。



僕は難しい話やお笑いの話、真面目な話はあまり書きません。

と言うか書けません。そういうやつです。よろしくお願いします。



石井航平という男を皆様はご存知でしょうか。

画像1



彼は、東京NSC23期生のお笑い芸人の友達です。同期というか、友達です。



NSCの頃から、「シドニー」というコンビを組んでおり、

そのコンビを解散して次に「うたたね」というコンビを組んでからは個人の芸名を「シドニー石井」と名乗っているドープな男です。


彼とはNSCの頃はほぼ喋ったことがなく、芸人になって2、3年目くらいから知らぬ間に仲良くなり、今では週5で会ったり電話をしています。


僕は劇場の出番が終わると、真っ先に彼に「出番終わったよ。」と連絡をします。そしたら彼は「お疲れ様。」と言ってくれます。


別にこの後何処か行こうとか、そういう目的で連絡をしているわけではなく、それが僕にとっての当たり前なので連絡をしています。

夜中に急に電話をすることもあります。明日どこか行こうとかじゃないんです。僕にとって普通なのです。それ以上でもそれ以下でもありません。


彼と過ごしてきた中で、強烈に覚えている1日があります。


結構前のことになりますが、彼の家でもう一人の友人、花ちょうちんの菊池という男と共に3人でお酒を飲んでいた夜がありました。


3人共酔っ払ってきて、それぞれの学生時代の可愛かった女の子の写真を見せ合うという、この世の男子は全員やったことがある儀式を行いました。


「マジでその子可愛い。」

「めっちゃその子好き。」

「俺の同級生の方が可愛いだろ。」


という主に上記の三台詞しか発せられない時間でした。


「この子この前久々に会ったらめっちゃ美人になってて、喋っててもすごい楽しくてさぁ、マジ好きになっちゃうよ俺。


このような台詞は、本気で好きで本気で付き合いたい!とか思ってなくても、同性間の会話でよく交わされる言葉だと思います。


「んで最後改札通る時、わざわざ振り返ってじゃぁね、めっちゃ手降ってくれたんだよ。そんときの笑顔まじで可愛かったわぁ〜。やっぱずっとアイドルだわ。」
「いやそんな子すげぇ好きだわ。良いなぁ。」


こんな会話もよくあります。

一度も会ったことはないけどエピソードを聞いててテンションが上がってしまって出てきてしまう「好きだわぁー」という言葉。

この「好き」は、本気で人に告白する時の「好き」とは違います。

LoveとLikeの違いです。

日本語では好ましいと思った時に、Loveではない「好き」という言葉を使います。


そんな調子で、次は石井が、


石井「この子後輩でさぁ当時はあんま喋ったことなかったんだけど、同級生が仲良くてその繋がりで久々に会ったんだよねぇ。」

菊池&高橋「うわ!めっちゃ可愛いじゃん!どうだったん?」

※菊池と高橋は同じことしか言っていないので一人の人間としてお送りします。又、ここからリアルな会話のため少々長いです。

石井「いや別にどうこうなったわけじゃないけど、めちゃくちゃ話も合うし、明るくて楽しい子だったよ。」

菊池&高橋「すげぇ良いじゃん。明るくて話しも合うし可愛いなんて最高じゃん!」

石井「まぁまぁまぁ、そうなのかもなぁ。ノリもいいしな。」

菊池&高橋「いやぁーそういう子好きだわー。羨ましい。LINEとかゲットした?」

石井「まぁまぁまぁ、仲良くなったから一応交換はしたなぁ。」

菊池&高橋「良いねぇ!お前すぐ次会う約束取り付けろよ!」

石井「まぁまぁまぁ、またいついつ会いましょーね的な話はしてる。」

菊池&高橋「まじか!てか何かクールな感じだけどあんま乗り気じゃないのか?」

石井「いや、そんなことないけど別に恋愛とかじゃないしなぁ。」

菊池&高橋「そんな感じかー。まぁまだ久々に一回会っただけだもんな・・・」

石井「いや、その後2回くらい一緒に遊んだかな。」

菊池&高橋「え?」

石井「昨日も6時間ぐらい電話したなぁ。」

菊池&高橋「は!?」


スタンスがキショイと思いました。


石井「明後日どこで遊ぶ?的な話してたら盛り上がっちゃってさぁ。」

菊池&高橋「明日も会うんかい。いやちょっと待って。めっちゃうまいこと進んでるじゃん。後恋愛とかじゃないとか言ってたけど、めっちゃ好きだろお前。」



石井「・・・んーまぁ単純に仲良くなって・・・」

菊池&高橋「え、何、あんま女性として魅力を感じないとか?」

石井「顔はめっちゃ可愛いし、スタイルとかもきれいだなぁ。話してて楽しいし。」

菊池&高橋「いや大好きだろそれ。あ、もしかしてお前もう大人の関係になっちゃったてきな?」

石井「いや、それはまじでない。付き合う前にそういうのあり得ないと思ってるから。」

菊池&高橋「多分嘘じゃ無さそうだな君のことだから。え、好きじゃないの?」



石井「・・・そんなことはないよ。遊んでて楽しいし。」

菊池&高橋「じゃぁ花子ちゃん(めっちゃ仮名)のこと好きなんだろ?」



石井「・・・・・まぁ一般的に見たら・・」



菊池&高橋「テメェ『好き』って言えよっ!!!!!」



よく考えれば、彼は僕と菊池が「その子めっちゃ好きだわぁ」とか言ってる時も、「好き」という単語は一切口にしていませんでした。


そう。


彼は「好き」という単語を言えない男でした。


カッコをつけているとかではなく、自分の心がドキドキと動くこの現象の動詞の名前を言葉に発するのが恥ずかしくて言えないのです。

彼曰く、「好き」の定義がわからないし、「好き」と言うとなんか告白している気持ちになってしまって恥ずかしくて言えないとのことでした。キショイです。


彼はだいぶ重症で、リハビリを行ったのですが、


高橋「私はあなたが好きです。はい、僕に続いて言ってください。」
石井「私は、あなたのことが、s・・・スゥ・・スゥぅぅ・・・!!!」

 

とマジで顔を真っ赤にして言えなくなってしまうのです。

悪魔に育てられたん?


ここまで男子校の副作用が出ている人間を初めて見ました。

彼はその後、約3時間かけて、ようやく「好き」と言えるようになりました。

僕は一人の男を人間にしたのです。


ようやく「好き」と言えるようになった石井は、その子とまた遊びに行きました。

まだ本当に恋愛感情として好きとかではなかったらしく、告白をするようなことはなかったらしいのですが、

日常会話で「花子ちゃん(めっちゃ仮名)のそのネイルいいね。俺そういうの好きだわ。

というような使い方はできるようになっていました。

楽しくいい雰囲気で街を歩いていたそうです。



しかし、石井のヤバさはまだ残っていました。


街をしばらく歩いていると、日は暮れてきて街は冷え込み、強い風が二人を襲ったそうです。


花子「うわぁ、寒いねぇ。」

石井「そうだねぇ。」

花子「本当に寒い・・・」

石井「???????」



ここで、彼は何と言ったでしょうか。

大正解である「じゃぁ手を繋ごうか」と言える石井ではありません。これは上級者すぎです。

次の正解は「じゃぁ僕の上着きなよ」です。これは優しさが出てていい台詞ですが、人生四半世紀過ぎてようやく「好き」と言えるようになった男にとってはこれも難しいです。

それでは、「どこかお店入ろうか?」でしょうか。これはだいぶあり得そうな回答ですが、石井は違いました。


それでは最後に石井のヤバイ台詞を発表して、石井のお話を終わりたいと思います。




花子「うわぁ、寒いねぇ。」



石井「そうだねぇ。」



花子「本当に寒い・・・」



















石井「風の抵抗を少なくするために縦になろうか。」
















キッショ!!!!






最後まで呼んでいただきありがとうございました。




ちなみに僕は、サポートが「好き」です。























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