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ちびっこうべ ワークショップ①

夏休み真っ只中の8月4日(土)、いよいよ今日から「ちびっこうべ」のワークショップが本格的にはじまります。

この記事はぼくが参加する子どものためのワークショッププログラム
ちびっこうべ」の連載記事です。
http://kiito.jp/chibikkobe/

自分が子どもの頃にあったらどんなによかったか!という、この素晴らしいプログラムのことをもっとたくさんの人に知ってもらいたいと思い、そのワークショップのスタートからゴールまでを書いています。


10月にオープンするゆめのまちづくりに向け、いっしょにお店(ユメミセ)づくりをしていくチームのみんなが初めて会場となるKIITOホールに集合しました。

シェフチーム建築家チームデザイナーチーム、それぞれ5人の子どもたちからなる1班15人のメンバー。それがさらに13班もありますから、総勢195人!それに加えて100人を超える大人(スタッフやクリエイター・サポーター)が一堂に会するその光景は圧巻です。

ちびっこうべのルールとしてワークショップ中、親御さんは子どもたちのそばにいることはできません、遠く離れた後方から見守っていただくのみ。そんな状況で、通う学校も学年も違う子どもたちやたくさんの知らないスタッフの大人たちに囲まれて席について待ちます。緊張感がこちらまで伝わってくるよう。でも大丈夫、きっと10月には皆めちゃくちゃ仲良くなってるから。


今日の課題

今日の課題、目標はズバリ

お店の名前を決める

です。およそ3時間のワークショップの中で、はたして無事に決まるでしょうか。今回はその完成までのプロセスを書きました。


お店のメニューを試食する

自己紹介を終えた後、全員で大きな会場マップを見ながら、ゆめのまちのイメージを膨らませます。自分たちのお店がどんな立地に建つのか。人通りはどうか、見晴らしはどうかなど、さっそく作戦会議に花を咲かせる子たちも。

つづいて各班ごとにお店で提供するメニューを試食します。ぼくの担当する2班は神戸市中央区にあるフレンチ「アノニム(anonyme)」さんが作るフライドチキン&ポテト。

ユメミセづくりはまず、お客さんに食べてもらう料理を自分たちがよく知ることからはじまります。目で見て、色はどうか、香りはどうか。

ひとくち食べ、味はもちろん、食感や食べた時の気持ちなど、出来る限りたくさんの情報を分析します。


どんどん言葉にして書き出す

食べ終えたら早速自分の感じたことを言葉にしてどんどん書き出します。「おいしい」や「いいにおい」など広い意味の言葉ではなくより具体的な言葉を用いること、「衣がサクサクしていて、中のお肉は柔らかかった」「塩加減がちょうどよかった」「チキンとポテトの相性はどうか」など。

ポイントとしてはその言葉を人に伝えた時に、きちんと良さが伝わるかどうかということを意識して考えます。これがなかなか難しい。簡単にできたらだれでも食レポのお仕事ができちゃいますもんね。


どんな人に、どんな時に食べてもらいたいか

メニューをしっかり言葉にできるようになったら、次はそれをどんな人に食べてもらいたいか。大人の世界のことばで言うターゲット層の把握、マーケティングということになるでしょうか。

「友達や家族にも食べさせたい」「パーティーで食べたい」「大勢で食べてほしい」などなど。子どもたちの発想はとても純粋で面白く、思わず笑ってしまうようなものも中にはありました。「毎日夜に食べたい」「疲れがあるときに食べたい」など、言っていることはほとんど大人と変わりません^^

そうか、遠足はやっぱり疲れるんやね…


どんなお店にしたいか

最後に、自分たちがどんなお店にしたいかを話し合いました。ここではメニューの提供方法やサービス、どうやってお客さんを呼び込むかなどの宣伝方法などについてアイデアを出し合いました。

我々2班はあいにく奥まった立地にお店を建てることになっていたので、とくにお客さんの呼び込みには戦略が必要です。お店に電飾をつけよう、タワーのように遠くからでも目立つ建物にしよう、など。これからの店づくりのヒントになりそうな意見がたくさん集まりました。

だれでもしっているキャラクターなどをつかう

これはミッキーマウスとかキティちゃんのようなものを指しているのかな?ナイスアイデアですけど、世の中にはライセンス料というものがあってだね…


お店の名前が決定

メニュー分析、ターゲット層の把握、お店の展望について話合い意見があつまったところでいよいよお店の名前を決めていきます。

たくさん集まった「パクパク」や「サクサク」などの感覚的な言葉と、チキンとポテトだとちゃんと伝わるように「とりにく」や「じゃがいも」のような具体的なことばをくっつけて「パクパクサクサクとりじゃが」、もっと覚えやすくしようということで「パクサクとりじゃが」に。

ここで、もっと目立つような仕掛けが欲しいということで「パクサク」を数字に当てはめて「8939」にする案が出また。

大勢で食べて欲しいという気持ちをキャッチコピーにして

みんなといっしょに とりじゃが8939

という店名にめでたく決まりました!

模造紙に大きく書いて、全員の前で発表!ここまで見事予定通り3時間でやりきりました。皆すごい!


正解のない答えの導きかた

今回のように自分の考えたこと、思ったことや感じたことを言葉にして書き出すという作業には「これが正解」という答えはありません。ただ、普段学校や塾などで学ぶことには「正解」や「模範解答」が存在します。

それに慣れてしまっているせいか、そのまま静観していると割と真面目な言葉や意見があつまりがちです。もちろんそれはそれで素晴らしいのですが、このワークショップが大切にしたいのは子どもたちが自分で作り上げるということ。もっともっと自由でいいのです。

そのためにはまず大人が面白おかしい答えを出して見せてあげることも必要かもしれません。先にそういう姿勢を示してみると「そんなことしてもいいんだ!」「こっちのがおもしろいよ!」と、枠を取っ払った答えが出てくるような気がします。大人がもっとふざけていてもいいです、ちゃんと子どもたちはツッコんでくれます。そういう意味では彼らは大人より大人です。


【反省点】インプット力を侮っていた

店名が決まったあと、パクサクという響きから「パク作」って名前みたいだから、何なキャラクターが居てもいいかもしれんね〜、と何気なく僕が模造紙にイラストを描いて見せたら、その後皆熱心にそれを模写し始めました。

子どもたちのインプット力がすごすぎて、見たもの聞いたものをその場でどんどん自分の力に変えて行くのです。それを目の当たりして、「あっ、マズい。完全に引っ張られてる。」と。

大人が先にアイデアを出しすぎてしまうと、考えるより先にコピーしてしまうのは、自分の子でも重々わかっていたつもりでしたがうっかりしていました。だめですね、今日一番の反省点です。

という事でせっかく模写してくれたこのキャラクターですが、お蔵入りさせて、次回ワークショップでは白紙の状態でアイデアをひねり出してもらうことにします。(ごめんよ)


メンバーの子が模写してくれたキャラクター「パク作さん」。ありがとう、でも今日で見納めです。


次は2週間後、各職業チームに別れてワークショップです。「デザインとは?」という事をしっかり学んでもらえるよう、今から準備します!





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