追憶〜ウクライナ編(序章)〜

数話にわたり、ベルギービールバーのオーナーになったサラリーマンの話を書いている訳だが、

たまには昔話でもしたいと思う。漫画でも良くある、唐突に始まる過去編ってことで。

何故ウクライナの話をするのか?

当然、ロシアのウクライナ侵攻が俺の人生、というか価値観に大きな影響を与え、結局バーをやろうとなった一つの遠因にもなっていると思うからだ。

もう10年以上前の話。

当時、俺は社会人2,3年目で、今と違ってかなり忙しくしていた(たまに終電でも帰れず近所のカプセルホテルに泊まったくらいだ)。

忙しくはしていたが、サンクトペテルブルグでの1年間のロシア語研修を終え、将来は日本とロシアの架け橋になるようなデカい仕事がしたい、その為にもとにかく場数を踏んで成長したい、

という、希望に満ちた若者だった。


そんな時に、ウクライナのとある案件にアサインされた。

この案件を通じて、希望に満ちた若手社員であった俺は、逆境を乗り越えた確かな自信を手に入れると共に、会社組織というものに対して愛想が尽き、会社は信じてはいけない、利用し利用される関係という事を肌身で感じたし、また利権に群がる人間のおぞましさというものも理解することになった。

事の発端は、日本政府がウクライナ政府から数百億円分の排出権を購入した事から始まる。

排出権について詳しく述べるのは割愛するが、要するに環境関連に用途を限定した補助金(勿論日本国民の税金)を上げますよ、という事だ。

この数百億円を巡り、日本の商社、ウクライナの政治家、地元の名士等の血みどろの補助金奪い合いゲームが始まった。


血みどろ、というのは大げさだと思うだろうか?


俺は大げさな表現や煽りが嫌いなので、事実を書いている。


実際に、途中で死人も出る事態になったのだ、、、


今回は序章ということでここまで。需要(スキ?)あったらぼちぼち続けるかもしれない。


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