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ラーメン屋の値上げについて「ちゃんと」考えてみよう!

昨日のブログではラーメン屋さんが値上げできずに閉店している状況について私の気持ちを含めて書いていった。

正直好きなお店がなくなるのは忍びない…。お客さんとしては、値上げをしてでも残って欲しいと思う。閉店する前にまずは値上げも試してもらえないかと思う。

しかし、なぜこれほど値上げに消極的なのだろうか?おそらく理由は
お客さんが減ってしまう
ということが理由なのだろう。

お客さんが減って売上が減って、赤字になり、店を続けていけなくなることが辛いのだろう。それに加えて飲食店をしている人は「お客さんが減る
」ということ自体に苦しみを感じる人が多そうだ。

お客さんが減る苦しみに耐えられず…というのは私では解決することができないが、「値上げすると赤字になるかも…」という不安には少し答えることができる。

「値上げするとお客さんが減って赤字になる…」
これは本当だろうか?もちろん間違ってはいない。でも、「どれだけ減ったら赤字になるのか?」それをちゃんと計算しているだろうか?

一度「ちゃんと」計算してみよう。

現在の状況はこのように設定する(メニューはラーメンのみ)。
ラーメンの単価 :1杯800円
ラーメンの材料費:1杯320円(変動費:数量に比例する費用)
家賃・人件費等 :1,500千円(固定費:数量に比例しない)
1月の販売数量  :4,000杯

この場合、下の図のようにこのお店の利益は420千円になる。

昨今は材料費が値上がりしている、固定費(人件費やガス代など)も値上がりしている。だからラーメン屋さんは利益を出せずに大変なのだ。

材料費が100円値上がりして、人件費などの固定費も100千円値上がりしてしまったと考えてみよう。利益はこのようになる。

赤字だ。8万円の赤字…
こうなっているからラーメン屋さんの多くが「続けられない…」と思うのだろう。

値上すればいいんだろうけど、お客さんが減るしな…
そう思っているのだろうが、どのくらい影響があるだろう?

このラーメン屋さんが値上げして、1杯1,000円にしたと考えてみよう。1,000円の壁を超える。

でも値上げでお客さんの人数は減る。
今回はなんと20%のお客さんが減ったと仮定してみよう。
利益はどうなる?赤字だろうか??

256千円の黒字!
当初の420千円の黒字には及ばないが利益を確保できる。

どれだけお客さんが減ったらダメか?
ここもちゃんと検証しているだろうか?
ちなみに損益分岐点の杯数は以下になる。

2759杯だ。
2759杯÷4000杯×100=69%

3割お客さんが減っても黒字を確保できる
3割だ。どうだろう?もしかしたらここまで減らないのではないだろうか?

数字は一般的な飲食店を参考に出したので、みなさんのお店では違うかもしれない。でも結構近い数字になってくるのではないかと思う。

値上げをするのは恐い
それは良くわかる。私も恐い。

でも、お客さんの立場から言わせて欲しい。
なくならないで!それだったら値上げしてお客さんに訴えかけてみて!

閉店するくらいなら、まず値上げを試してみるのもいいのではないだろうか?

みなさんも「恐い」と悩む前に、まずは「ちゃんと」計算してみましょう!

計算方法が分からない?だったら
MG研修に参加してみよう!

最後まで読んでくれてありがとう!!
vol.2112


意思決定インストラクター
FSAコンサルティング株式会社 代表取締役 谷川俊太郎

まずは経理情報を経営の羅針盤情報に
そして経営をシンプルに考えられる理論
・佐藤義典先生の戦略BASiCS
・MG(マネジメントゲーム)
・TOC
この3つのシンプル経営理論を駆使し企業改革の後押しを行う「意思決定インストラクター」として福井で企業をお手伝い中!

ご質問等ある方はコチラまで!



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