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TOCの元となったトヨタグループの相次ぐ不正の話。大事なことが伝わってなかったのかな…。

トヨタグループ相次ぐ不正
最近トヨタのグループ会社で不正が行われているというニュースを良く目にするようになった。日野自動車やダイハツ、豊田自動織機…。日本を代表する企業だからというわけではなく、TOCの元となった会社のグループの不正が色々言われるのは、なんだかとても寂しい。

不正はトヨタから請け負ったエンジン開発などで納期がタイトで間に合わなくなりそうでも、そんなこと言える雰囲気でもなかったらしい。

記事によるとこういった不正が横行した要因として、
・過度にタイトで硬直的な開発スケジュール
・現場任せで関与しない幹部
・チェック体制の不備
・法規の不十分な理解
・現場の担当者のコンプライアンス意識の希薄化
・自分や自分の工程さえよければよいという組織風土

これらが原因として挙げられていた。どこかで聞いた話。というか日本の不正の多くはこういう理由が多いのではなかろうか?

私はTOC理論を学んでいる。TOC理論は会社のボトルネック(物理、市場、方針)を把握し、それに集中して対処することで組織の全体最適を目指す理論だ。

この理論を導入して成果を出していくために重要なキーワードがある。それは「バッファ(余裕)」だ。

ボトルネックは分かりやすい例を上げれば仕事が溜まっていて、てんてこ舞いになっている人や部署があるとしよう。その仕事が終わらなければ次の仕事に取り掛かれない…

こういうのを物理的なボトルネックという。そこで仕事が滞っているのだから、なんとかしないと生産性が上がらない!というのは分かるだろう。

ではどうすればいいだろうか?典型的なやり方がその人や部署の「そこじゃなくてもできる仕事」を他の人が手伝うことだ。その人や部署には「そこじゃなきゃできない仕事」に集中してもらう。

ではこれをやろうと思ったら?他の人もボトルネックほどではないとしても、余裕がない状態だったら?
手伝いたくてもできない
ということが起こる。

結果何が起こるかというと、「お前ら頑張れ」だ。トヨタグループで起こっていることと同じ。解決にならない精神論。

トヨタ生産方式では、その効率的なシステムも有名だが、「どこかで問題が起こったら全ラインが止まる」という話も有名だ。本当にビタッ!と止まると聞いたことがある。

それができるのが何か?「7割で動かせ」なんて言葉もあるが、余裕を持った生産スケジュールだろう。余裕があるから、止まっても後でその余裕を使って取り戻せる。

この「余裕」がTOC理論で大事なのだ。トヨタの生産でも大事なのではないだろうか?

この「余裕を持つ」というキーワードがグループには伝わっていなかったのだろうか?TOCの元となった会社グループの話としては寂しい。

是非今回の件を反省してより良い企業グループに生まれ変わってくれることを切に願います。

最後まで読んでくれてありがとう!!
vol.2122


意思決定インストラクター
FSAコンサルティング株式会社 代表取締役 谷川俊太郎
まずは経理情報を経営の羅針盤情報に
そして経営をシンプルに考えられる理論
・佐藤義典先生の戦略BASiCS
・MG(マネジメントゲーム)
・TOC
この3つのシンプル経営理論を駆使し企業改革の後押しを行う「意思決定インストラクター」として福井で企業をお手伝い中!
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