言葉は魂そのものである (『イーグルに訊け』)

こんばんは。鉄舟です。

最近読み進めている本があります。天外伺朗、衛藤信之著 「イーグルに訊け ~インディアンに学ぶ人生哲学~」(2003年 飛鳥新社)  です。

今回はこの本を読み進めている中で、ぜひとも多くの人に伝えたいと思った価値観に出会いましたので、それについてシェアしたいと思います。

この本に出会ったきっかけ

講演家 鴨頭嘉人さん (以下、カモさん) がエピソードトークの達人と絶賛する、日本メンタルヘルス協会代表の心理カウンセラー衛藤信之さん。カモさんの動画にハマり出したころに、カモさんが「エピソードトークの達人」と称していたので、衛藤さんがどんな方かを知りたくて、Youtubeを見始めたのが、この本に出会う一番はじめのきっかけでした。

衛藤さんは、カウンセリングの修業を積むためにアメリカへ留学されていたときに1年間ほどインディアン (ネイティブ・アメリカン) の伝統的な生活に触れていた時期があったそうです。

インディアンの生活の中で気付かされることが大変多かったらしく、Youtubeの中でよくインディアンの話が出てきます。

衛藤さんの動画の中に出てくるインディアンの話が、今の日本人が忘れ去った大事なことがふんだんにあるような氣がしてならなくて、「インディアンについてもっと知りたい!」と思っていました。

この本の存在は前々から知っていたのですが、以前にAmazonで調べたときには在庫が切れていて手に入りませんでした。

最近になり、日本メンタルヘルス協会の通販サイトがオープンしたとのことで、早速そのサイトで手続を行い、本を購入しました。

それからちょっとずつ読み進めてはいますが、1億総鬱社会とも言われる現代の日本において、心を豊かにしていくためのヒントがたくさんあると感じております。

今日、読み進めていた中で、インディアンの話だけにとどまらず、この考え方は、ぜひとも多くの人に知っておいてほしいというものがありましたので、それについてシェアしたいと思います。

言葉は魂である

現在はどうかわかりませんが、少なくともこの本が書かれた2000年あたりでは、白人の同化政策により、多くのインディアンは、伝統を捨て、水道や電気が整備されたこぎれいな家を与えられ、支給される年金で生活を送っていいました。きれいな家に住み、安全な生活を遅れても、伝統や儀式から離れてしまって所属の欲求が満たされず、精神的に荒廃してしまう人が多数いました。

一方で同化政策に反抗し、伝統を守り続ける少数派のインディアンたちは、極貧の生活を送りながらも、集落全体に一つの共同体としての意識が強く、誇りをもって自分たちの言語や伝統を守っている。その中で帰属意識も高まっていく。かたくなに伝統を守るインディアンには、そんな誇りあるインディアンが多いようです。

また、インディアン社会における、知識の宝庫であり、皆にとっての人生の師である長老は次のような考え方をしています。
「自分たちの生き様が子どもたちへのプレゼントである」
インディアンは、自分の肉体は滅びても、あとの世代の人達の心に自分の語った言葉や生き様が残れば、自分の氣持ち (スピリット) は生き続ける、とい考え方があります。

だから、「言葉はコミュニケーションの道具以上に、魂そのものである。」とのことです。

ここまでが、今日、本を読み進めて印象に残った部分の話でした。

本の文脈では、自分の魂が、自分が語った言葉や生き様から紡がれる物語によって、あとの世代の心の中に生き続けていくということでした。見方を変えれば、自分から後に繋がっていくということは、今、自分の中にある言葉達は、先人の魂が形を変えたもの、というように捉えることもできるのではないか、そんな考えに至りました。

考えてみると、自分が自ら生み出した言葉というものは、皆無に近いのではないでしょうか。小さい頃は、親や周りの大人が語る言葉を覚えて、ようやく自分で言葉を使えるようになります。大人になってからも、本やいろんな人と交流の中で新しい言葉を覚えていき、自分の言葉が洗練されていきます。

言葉というものは、親から子へ、子から孫へ、というように、連綿として繋がって、初めて自分が今の言葉を話すことができている。言葉を話している時点で、自分は先人とつながっている、縦のつながりの中で生きていることではないのか、そんなことを思いました。

縦の繋がりを大切にする生き方は、日本人も昔はやっていました。しかし、社会の風潮が、縦の繋がりをないがしろするような感じになってから、日本の社会はおかしい方向に進むようになったのではないか、そんなことを感じています。

縦の繋がりが大切である、という絶対的な価値観が自分の中にあり、そのような価値観に至った理由となる知識や経験は、ぜひとも整理して記事にしたいと考えております。

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