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歩行でのフィードバック、フィードフォワードの注意点

身体状況や環境の変化に応じた動きの調整は、変化に対する応答と先を見越した予見的調整の2つのシステムがある。前者は,立位姿勢や歩行において
バランスが崩れそうになったときに視覚情報,体性感覚情報,前庭感覚情報により異常を感知し,修正しようとするフィードバック制御,後者は動作パターンの乱れが予見されるときに未然に対処するシステムで,フィードフォワード制御である。フィードフォワード制御はさらに予測機構(predictive system),予期機構(proactivesystem)に分けられ,予期機構は遠方の状況を把握して,予め動作を修正しておく役割を担う。たとえば,歩行中の数メートル先の障害物や路面変化を認知し,対処するために身体が自動的に反応できているかという視点でみると,速度を落とさずに歩き続けられているか,「ぎこちない・不自然な」動きになっていないかを観察する。これらは歩行自立度を判断する際の視点でもある。介護スタッフや家族が同行できる場合は,応用歩行の練習として屋外散歩コースに不整地路面を織り交ぜて,その反応を観察するように伝える。

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