見出し画像

麻痺側下肢を鍛えたいなら、非麻痺側上肢を使え?!

これはPNFの話です。

ここではPNFの詳細は省略します。

上肢屈曲・外転・外旋パターンを利用します。

背臥位にて、

①上肢伸展(肩屈曲0°)・内転・内旋位

②上肢中間(肩屈曲90°)

③上肢屈曲(肩屈曲180°)・外転・外旋位

でそれぞれ抵抗による等尺性収縮を行います。


すると、②の抵抗運動時、対側下肢の筋活動量が上がるとういものです。


この上肢屈曲・外転・外旋パターンは上肢挙上運動が主であり、体幹や下肢は固定の役割になります。

上肢中間位、屈曲位では体幹は伸展方向に働きます。

体幹伸展主動作筋は脊柱起立筋です。

同筋は両側性収縮で体幹や頭頸部を伸展、骨盤を前傾、腰椎前弯を増強させます。

広背筋腱膜は体幹伸展筋と密接になっています。

このパターンでは体幹伸展運動が生じること、上肢が対角線及びらせん運動であること、広背筋の走行により、対側の大殿筋にまで活動を拡げることができる。

大殿筋は大腿二頭筋と筋連結があり、下肢伸展方向への筋収縮の影響を与えます。


以上のことから、上肢から上部体幹伸筋にリバースアクションがはたらき、運動の拡がりが生じます。

運動の拡がりで一側上肢から体幹伸筋群や骨盤周囲筋群、対側下肢伸展筋群の筋収縮が高まるわけです。


これは整形疾患にも有用です。

麻痺側(患側)ばかりに目を向けるのではなく、非麻痺側(健側)上肢にも目を向けましょう。


参考文献 上肢PNFパターンの等尺性抵抗運動域の違いが反対側下肢筋力に及ぼす影響 佐藤仁 他 理学療法学 2006

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?