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「自分に似合う服」ってなんだろう?

「僕にはどんな服が似合いますか?」

スタイリストという仕事をしていると、
時々こういう質問をされることがある。

僕はいつも困ってしまう。
だって、そんなのは瞬間的には分からないから。

様々な手法がある

その人にどんな服が似合うのかを考える時、
スタイリストによって用いる手法は人それぞれ。

パーソナルカラー診断のように「色」を基準にして似合う服を提案する人もいれば、骨格診断のように「身体のライン」から似合う服を導き出す専門家もいる。

僕はどちらの手法も使うことはない。

その人にどんな服が似合うのか。
僕が手がかりとしているのは「会話」

その人と実際にお話をしながら、様々な質問を投げかけていく。その中から、どんな服が似合いそうだなというイメージを少しずつ固めていく。

たとえば、どんな質問をするかというと・・・

■休日は何をして過ごしていますか?
■今までどこで服を買っていましたか?
■ファッションのどんなところに難しさを感じますか?
■職場ではどんな風に見られていますか?
■どういう風に他人から見られたいですか?

こんな感じで、その人のことを徹底的に知ろうとする。
この答えの中に「似合いそうな服」のヒントが隠れていると思っている。

僕が知りたいのは、その人の雰囲気だったり、人柄(キャラクター)だったりする。そして以下のように、ざっくり2つのパターンに振り分ける

①陽気で変化を好む人
②落ち着いていて保守的な人

このような人柄によって似合う服は変わってくると思っている。

①のように明るくて変化を好む人は、どんな服を提案しても「なんかおもしろそうですね〜」と言って、楽しみながら着てしまう。不安よりもワクワクが勝ってしまう。こういう人は似合う服の範囲が広い。だからちょっとファッションで冒険しても全然OK。トレンド要素を取り入れてもいいし、色や柄でちょっとアクセントを足すのもOK。あえて地味過ぎない方が似合ったりする。

一方で②のように、落ち着いていて保守的なタイプの人には、なるべくベーシックで遊びの要素が少ない服を提案する。こういうタイプの人に「おしゃれ頑張ってます感」が漂う服を着せると、気分が乗っていないから服だけが浮いて見えちゃうから。

色もデザインも攻めない。ご本人のこれまでのスタイルをよく理解して、その半歩先を目指すようなイメージでファッションの提案をする。そのさじ加減には割と慎重になる。

僕は今こうして文章を書きながら再確認したけど、「本人の人柄」を見て似合う服を判断しているのだと思う。

このnoteを読んでいるみなさんにもぜひ試してほしいと思う。
自分の性格が、

①陽気で変化を好む人 
②落ち着いていて保守的な人 

どちらなのか。
まずはここから考えてみると良いかもしれない。
それ次第で目指すファッションの軸足が変わるから。

「似合う服」は広げられる

ちなみに、②のタイプの人は似合う服の範囲が狭い。でも「似合う服」って少しずつ広げられると僕は思っている。

保守的な人は、初めて着る服を瞬間的に「これは自分には似合わない」と判断してしまう。それでもしばらく着ていると少しずつ目が慣れて、違和感が薄らいでいく。これはどんな人も同じ。「慣れ」の問題。

一気にファッションをがらりと変えるのではなく、少しずつ変化を取り入れ、一歩ずつ階段を登るように「似合う服の範囲」を広げることができる。

これは僕が11年間スタイリストをする中で実感してきたこと。保守的だからといって、きれいな色の服が似合わないかというと、そんなことはない。でもそこに行き着くまで、丁寧に段階を踏んでいく必要がある、というだけ。

変化を楽しむということ

そして、ファッションの楽しさっていうのは、こういう「小さな変化を積み重ねていくこと」にあると思っている。

「こういう服も似合うんだな〜」という新しい自分の一面を感じた時、価値観が広がったのを感じるとき、ファッションの楽しさを実感すると思う。

ファッションで大切なのは「変化を楽しむこと」だ。これはどんな人柄の人にも共通することだと思う。

今年もたくさんのおしゃれに迷う男性を素敵にしたい。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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