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決算解説・財務分析

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#決算書

【決算解説】ビジョナリーHD(メガネスーパー)の業績が急回復?

メガネスーパーを運営するビジョナリーホールディングスの2021年4月期2Q決算を解説します。同社はかつて価格競争に敗れ業績不振に陥り、債務超過になった過去を持ちます。その後シニア層向けの高価格帯メガネに狙いを絞ることで業績を回復していきました。 ビジョナリーHDが発表した決算は、ヒトコトで言うと「不採算店舗の閉店と経費削減に努め減収増益」という結果でした。売上高は前年から▲8.8%の131億円、営業利益は288.8%増の4.7億円です。 営業利益ベースでは増益 ビジョナ

【決算解説】しまむらの業績が急回復した理由は郊外シフトにあり?

しまむらが好調です。同社の2020年9〜11月期の連結業績は、純利益が前年同期比3.6倍の110億円となり、同期間の過去最高益を更新しました。 郊外型店舗を主軸に低価格帯で勝負する同社は、コロナ禍でもその強さを発揮しています。今回はしまむらの決算を端的に解説します。 業績急回復の背景に郊外シフト 上記のグラフはしまむらの四半期別の営業利益を示したものです。 しまむらは、1Qに営業赤字を計上しました。これは、新型コロナウイルス感染拡大を受けた外出自粛要請が大きく影響して

#003 いきなりステーキ!の超高速出店には無理があった?

 いきなりステーキ!を運営するペッパーフードサービスの業績不振が各所で報じられています。今回は、いきなりステーキ!の驚異的な出店ペースとその影響をビジュアルに整理します。 売上高は10年で10倍に  まずは、売上高のトレンドチェックです。1970年創業のペッパーフードサービスは、いきなりステーキ!事業が始まるまで売上高50億円前後の企業でした。  同社は、2013年に立食形式のステーキハウス「いきなりステーキ!」1号店を銀座にオープンすると、その後年間100店舗近くの高

【1分間決算解説】サンリオが営業利益▲11億円の赤字に転落

サンリオの2021年3月期決算は、純利益ベースで▲8億円の赤字でした。コロナ禍で直営店舗やテーマパークの休業を余儀なくされたことが大きく響いた格好です。 今回はサンリオの2021年3月期1Q決算を分析します。 サンリオの売上高の推移 上記はサンリオの売上高と営業利益率の推移を示したグラフです。 2021年3月期の1Qは、営業利益ベースで赤字に転落しました。売上高が前年から半減(▲45.5%)したことが大きく響いた格好です。新型コロナウイルスの感染拡大によるテーマパーク