「テレパシーで答えました」
このエピソードは他で書いたことがあるのですが、新マガジン『アノ人の正体』向けにスポットライトのあて方を変えてお送りします。
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高校の同級生K君とは、同じクラスだった1年間で会話を交わしたことが10回に満たないはず。けれど、今も彼の風貌をありありと想い出すのは、たった1回きりの、とても印象的なシーンによる。
男子の多くは運動部に属するその高校にあって、K君はおそらく1割ほどしかいないマイノリティーである、文科系サークルのメンバーだった。
長身で、黒縁メ