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パソコンの引き継ぎというストレスに発狂する年越し


パソコンのプログラムをずっと使っていますと、
メモリーも一杯になりますし、
プログラミングもミスが出ます。
それを修整しないと上手く働かなくなる。
ようは使いすぎによってバグる。
バグるからクリーンにしなければいけない。
だから、イップスは経験豊かな上級者に起こると思われます
―――――『イップス』澤宮優 より


▼▼▼パソコンを買い換えるストレスがすごい▼▼▼


パソコンを買い換えました。
前回買い換えたのは、
2019年秋頃だったと思うので、
今回は約3年ちょいでの買い換え。

まぁまぁ早いわけですが、
僕の場合特殊な事情があって。

妻がFVIの事務と、
「陣内俊を支える会」の事務を担ってくれています。
たぶん普通だったら給料が出るレベルで働いてもらっているし、
あと、もし僕が中小企業の社長だったら、
妻に給料を出すことで税金の対策にもなる、
と税理士にアドバイスされることでしょう。

僕がこうしてアウトプットやインプットに集中し、
FVIの活動にフルで脳みそを使えるのは、
妻がそれ以外のかなりの部分を助けてくれてるからです。

だから僕の「給料」は、
その言葉の本来の意味において、
完全に妻と等分されるべきだと考えている。
僕は実質半分しか「稼いで」いない。
妻のFVIや支える会の事務作業、
それに家事、育児、鬱のときのサポートの功績は、
僕の働きのちょうど半分なのだ。
(本当のことを言うとまったくもってそれ以上だと思うが、
 僕の中二病のしょうもないプライドのために、
 半分と言わせてください笑)

離婚するときに、
「財産分与」という仕組みを知って初めて、その事実、
というより社会がその事実を支持しているのに気づく人がいる。
そのときに初めて、
「自分の給料は自分だけが稼いでいる」と、
世界で自分だけが勘違いしていたということに気づく、
(多くの場合DV気質の)男性が非常に多いと聞く。

僕は今の時点で完全にそれに気づいている。
圧倒的に気づいている。
いや、妻の貢献を考えたら気づかなかったら馬鹿だ。
僕はまったくひとりで仕事しているのではない。

話をパソコンに戻すと、
妻にはいつも、
僕のパソコンの「お古」を使ってもらっている。
妻が今使っている先代の僕のパソコンは、
2015年の冬に買ったから、
すでに7年以上使っている、
昨今のパソコンとしては「年代物」に属する。
「ムーアの法則」に置き去りにされている。

パソコンが「使っていて壊れた」ときのコストは甚大だ。
データが失われるかもしれないし、
そのデータを復旧する専門の業者に頼んだら、
何万円というお金が出ていくかもしれない。

だから、壊れる前に、
先手、先手を打って買い換えていくのがよろしい。
「ムーアの法則」は鬼の形相で追いかけてくる。
だからといって毎年買い換える余裕などない。

あろうはずもない。

という状況を背景とし、僕は今、早めに買い換え、
妻に3年落ちを譲るのがベストバランスだと判断した。


▼▼▼僕はパソコンを最大限使う▼▼▼


僕のパソコンの使い方はえげつない。
経済学の「効用」という概念でいえば、
僕はパソコンから効用を最大に引き出している人間だと思う。
僕に買ってもらったパソコンは、
「あぁ、私のポテンシャルを引き出してくれてうれしい」
と喜んでいるのではないかと中二病の僕は思っている。

今回手放したパソコンは、
動画を900本ほど撮り、
それをMP3に変換し、
それらをYouTubeとPodcastに配信した。
文字数だと百万文字ぐらい、
本が数十冊書けるだけの文章を打ち、
英語の本を2冊、日本語に翻訳した。
Excelもえげつないぐらい使い、
100を超えるパワポのプレゼンを作り、
累計一万人ぐらいの人にそれを聞いてもらった。
オンラインのセミナーやセッションをZoomで年間200回近くし、
Evernoteのノートの数は12,000個を超え、
それらは僕のアウトプットを下支えしてくれている。
数限りないメールを打ち、
LINEをパソコンでしかしないと決めてる僕は、
LINEの連絡も毎日していた。

パソコンはパソコン冥利に尽きる、
と思っているのではないだろうか。

たまーにインターネットを見て、
たまーにメールをチェックして、
たまーに町内会のチラシを作る、
みたいな人に、Intel Core i7はオーバースペックだ。

でも、わりと世間の人はそれに気づいていない。

さて。

何の話がしたかったのか。

パソコンの買い換えである。
僕がどんな機種を買い、
どんなソフトウェアを活用しているのか。
それが知りたい人は個人的に聞いてください。

今日話したいのはそんなことではない。

パソコンの買い換えが面倒だ、
という話だ。


▼▼▼買い換えストレス▼▼▼


パソコンの買い換えは正直、
あまり好きではない。

とにかく認知的負荷が半端ないからだ。

それが分かっていたので今回は、
年内の仕事を12月30日の午前中で終わらせ、
そこから正月をまたぎ、
世間が正月休みしている間に、
パソコンの引っ越しを終わらせることを目論んだ。

結論から言うと、
まだパソコンの引っ越しは完遂されていない(爆死)。

でも、95%ぐらいは終わった。
終わるまで、10日ぐらいの期間がかかったけれど、
本当にストレスだった。

何がストレスか?

いわゆる「ユーザーインタフェース」が変わることに伴う、
諸々の脳のアジャストがまず大変だ。

すべからくあらゆる「道具」というものは、
人間の身体の拡張だ、という考え方がある。

自動車は足の拡張だし、
ガラケーは耳と口の拡張だし、
包丁やハサミやドライバや金槌は手の拡張だし、
ガスコンロは口と消化管の拡張だ
(人類は火と出会ったことで、
咀嚼と胃液を遙かに超えるカロリー効率を手にしたのだ)。

パソコンは言うまでもなく、
脳の拡張なのだが、
その脳との癒着度合いは、
義手とか義足とかに近い。

であるとするなら、
使い始めてそれが「自分のもの」と感じられるまでの適応期間は、
結構、思ってるより長いのだ。
特にその道具をヘヴィーに使っている人ほどそうなる。
義足をつけたパラリンピックのメダリストが、
義足を新しいモデルに付け替えたら、
たとえ新しい方がより良い義足だったとしても、
付け替えてから何ヶ月かはタイムが落ちるだろう。

それと同じことが僕と新しいパソコンの間にも起きる。

パソコンを引き継ぐと、
あらゆる作業が、2分おきに「引っかかる」ようになる。
それらの一つひとつは小さなことなのだけど、
小さなストレスが膨大になると、
それは大きなストレスになる。

たとえば、いつものルーティーンをしていて、
印刷しようとする。
すると部屋にあるプリンタと、
新しいパソコンのオンライン接続がまだだったことに気づく。
いや、そもそもドライバが入ってないことに気づく。
Canon LP6200 で検索し、
ドライバを入れ、オンラインからPDFの説明書を読み、
オンライン接続の方法を確認し、
接続して印刷する。
これで軽く15分はロスする。

YouTube、note、Anchor(Podcast)、
Googleカレンダー、Amazon、heteml(メルマガ)、
それらあらゆるプラットフォームの、
ログインを新たなデバイスでする必要がある。
これは多分悪魔が考えた仕組みだと思うのだが、
パスワードからの二段階認証。
詳しい説明は省くが、
ガラケーの僕は普通の人以上にこのプロセスが面倒だ。
ストレスで髪の毛全部抜きたくなるぐらいイライラする。
やはり悪魔が考えたに違いない。

「パスワード」という仕組みを考えた人は、
パスワードという仕組みを利用したことがないに違いない。
僕は今、200近いパスワードを持っているらしい。
全部を変えるなんて、それこそ悪魔の所業なのでできないが、
それでも、これらを「管理」するというのは、
人間の能力を超えていると僕は思う。
どうやら機械の側もそれに気づいたらしく、
パスワードを入れても、信じてもらえない。
そこで第二の悪魔の発明、
「二段階認証」がやってくる。
どうやったら僕が僕であることを信じてもらえるんだ。

これでだいたいまる2日のロスが生じ、
僕の髪の毛の半分が失われる(抜いたんかい)。

それにメーラーのPOP3設定とか、
あ、もうみんな聞くのも嫌になってるからやめます。

あと、細かい話なのだけど、
僕のパソコンは今までは10.4インチというかなり小さいサイズだった。
その型番は2回連続で7年使っていたが、
悲しいことに廃盤になってしまい、
今回はその後継機種にあたる、12.4インチのパソコンを買った。

当然パソコンの筐体自体が大きくなるために、
「キーピッチ」という、
パカパカとブラインドタッチで文章を打つときの、
人差し指から小指までの距離が1センチぐらい変わる。
一つひとつの指の感覚が数ミリ広くなる。
これが本当に難しい。

ほら。

日本のプロ野球から
メジャーリーグに行ったピッチャーが肩を壊す原因として、
わずか1グラムのボールの重さの違いと、
表面の滑りやすさが原因、
とかっていう話があるじゃん。

あれと似てると思うのだけど、
この数ミリの違いは、
タイプミスをものすごく増やす。

そして何より、
文章のリズムがつかみづらくなる。
文章執筆というのは、
いかに早く「フロー」を作り出すかにかかっている。

自分の思考にまずタイプ速度が追いついてくる。
それを10分間続けていると、
タイプ速度が自分の思考を追い抜くような感覚に突入する。
自分の前にタイプされモニターに映し出された文章を読みながら、
「あぁ、自分はこんなこと考えてたのか」とうなずく。

そういう瞬間が訪れるためには、
タイピングの「ナノレベルの引っかかり」が邪魔になる。
タイプミスが思考を断絶させ、フローがストップする。
キーピッチに指が慣れていないことが足を引っ張る。

あと、「予測変換」ね。
僕の文章の変換の癖に、
まだパソコンの側がついてきてない。
変換の癖というのは、
何年もかけてパソコンを「調教」するようなものなので、
それを1からやり直すのは本当に面倒だ。

「いかれちんこやろう」とタイプしても、
「イカれチンコ野郎!」と予測してくれない。

オレは普段、パソコンで何してるんだ。

とにかく、パソコンの買い換えは面倒だという話。

そんな事情もあり、
今回は小説は書けなかったし、
日記も二つしか書けなかった。
来週メルマガ休んでも、
それはオレのせいじゃない。
パソコンのせいだ。


、、、という長い言い訳。


終わり。


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参考文献および資料
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・『イップス』澤宮優



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