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アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した 読後感想

なかなかセンセーショナルなタイトルの本ですね。

原著は『HIRED』というタイトルらしいです。明らかにやりすぎの超訳タイトルですね。内容はそこまで酷くはないです。


読んでみて面白かったので早速レビューします。

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この本はイギリス人の筆者が『最底辺な』職場に実際に飛び込んで働き、その実態がどうなのか調査するというルポです。

アマゾン倉庫のピッカーや介護士、コールセンターのインバウンド、ウーバーの運転手として働きそれぞれの真の姿を明らかにしていきます。


筆者はイギリスの左翼系のウェブサイト『Left Foot Forward』の元編集者で、ジャーナリストです。

考え方はだいぶ左翼寄りで文章からも多分に感じましたね。


もちろん筆者はある程度稼ぎのある人間で、リアルに貧困に喘いではないですが、なるべく同じ目線で書けるように働いている間は、住処や生活環境も他の労働者に合わせています。

すごくリアルな描写が多く、気付きが多かったように感じます。

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『劣悪な労働条件は生活習慣病の原因の一つ』


多忙を極めると、それから逃れるために嗜好品(酒、タバコ、ジャンクフード、場合によってはドラッグ)は必須となるということです。

筆者は、潜入前まではバランスの取れた健康的な生活を送っていましたが、潜入後は気づけば酒やジャンクフードを摂る生活になっていました。

僕自身、学生の時に焼肉屋やラーメン屋で夜遅くまでアルバイトしていた時に同じような体験が在りました。

ヘトヘトになって仕事から帰ってきた時に、『こんなにがんばったんだし食事くらい好きなもの食べさせてくれ』っていう感覚になるんですよね。

いわゆる『酒ないとやってられるか』状態ですね。

不規則な食生活をやめられない糖尿病患者の中にも、こういった人たちが一定数隠れているのかなと思いました。

生活習慣病は『本人のせい』でもあるんですが、『環境のせい』でもあるのかと。

そういった患者の接し方を変えなければいけないなと思いました。

医者の僕から見ると、労働条件が病の元になっていると気づけたのは発見でした。

そしてその根っこにある貧困問題も、健康に関わってくるということに気づけました。


この後もいろいろ考えて、書いたのですが、文章がうまくまとまらなくて消しちゃいました。


例えば、、、


劣悪な環境で働かせているのは会社が悪いとは思うんだけど、それを支えているのは、僕たち消費者なんだなと。

なんかこの考え方は、ヴィーガンやベジタリアンの考え方に少し似ているなとも思ったり。

最近のコンビニ、ファミレス24時間営業廃止にも繋がる話だなとも思ったりしました。


話それそうなのでここまでにしておきます 笑

気になる人は買って読んでみてください。少し癖のある表現が多いですが、割と読みやすいです。

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