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機械仕掛けのコウノトリ

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【あなたの注ぐ愛は、子どもへの愛ですか?それともただの毒ですか?】 「優しさと自由は、時に残酷な未来を現実として人に叩きつけることがある」 次世代育成への注視と児童虐待の増加…
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#物語

左手に金の滝が打つ 14

第1話前話 齢一六にして真っ赤な絨毯の上を歩くことに慣れてしまったのは、自分でもいかがな…

しゅん
2年前
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機械仕掛けのコウノトリ 20

第1話前話「お待たせいたしました。今回、石原様にご説明させていただく相田と申します。それ…

しゅん
2年前
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機械仕掛けのコウノトリ 21

第1話前話「今なら、お二人のDNAをお調べして相性の良いギフトをお調べすることができます…

しゅん
2年前

機械仕掛けのコウノトリ 22

第1話前話「それでは解析をしてまいります。5分程度で戻ってきますので、それまでこちらの動…

しゅん
2年前

機械仕掛けのコウノトリ 23

第1話前話「お二人の場合、ご両親が共に論理的思考性と現実的思考性をお持ちですから、その特…

しゅん
2年前

機械仕掛けのコウノトリ 24

第1話前話「もし、双子が生まれた場合、投与された才能…ギフトはどうなるのでしょうか?例え…

しゅん
2年前

機械仕掛けのコウノトリ 25

第1話前話 夕飯の支度をするつもりではいたが、理解の追いつかない話を聞いたせいで疲れてしまっていた。 夫もそれをわかってくれていたようで「今日はどこかで食べていこう」とファミリーレストランに入った。 タッチパネルで番号を選び、選んだ個室に入る。スライドドアで完全に遮断された空間は何も言わずに私たちのことを匿ってくれた。 夫はドリアを選び、私はパスタを選びタッチパネルに入力する。 やるべき作業を終えると私たちは少し黙った。外からは柔らかいポップミュージックが流れて、間を

機械仕掛けのコウノトリ 26

第1話前話私は夫の表情を見ながら率直に思いを伝える。その際も夫は何も変わらなかった。 「…

しゅん
2年前

機械仕掛けのコウノトリ 27

第1話前話 私たちは話し合った末、ギフトの提供を受けることを決めた。SoGから血液検査な…

しゅん
2年前

機械仕掛けのコウノトリ 28

第1話前話 出産は一二時間にも及び、痛みはまだ声を上げることのできない子供の命の叫びのよ…

しゅん
2年前

機械仕掛けのコウノトリ 29

第1話前話 倒したままの写真立てが窓際で埃を被っていた。 ここに引っ越して以来、一度だけ…

しゅん
2年前

機械仕掛けのコウノトリ 30

第1話前話 兄の宏人は好奇心旺盛でとにかく本をよく読む子だった。読み聞かせをすれば、一人…

しゅん
2年前

機械仕掛けのコウノトリ 31

第1話前話しかし、私が嬉しかったのは子供たちが自分の個性を持って成長していることだった。…

しゅん
2年前

機械仕掛けのコウノトリ 32

第1話前話 私たちにできることは少なかったかもしれない。小学校高学年になってくると子供達にも強く自我が育ち、成長は自転を始めた。 子供たちが制限なき無邪気さをまるで蛍を追いかけ回すかのように振りまきながらどんどんと成長していく。 その成長は子供たちが自分の与えられたギフトを使い始めていた結果だった。 二人の話す内容に私も夫もついていくことすらできなくなっていた。それはまた別の心配を私の中で芽生えさせて、子供達の成長とともに私たちの間を埋めるように膨れあがっていった。