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残業をしない外資系企業のマインドセット

電通の事件を発端に働き方改革や残業規制が日本中で議論されています。以下の記事を読んで、改めて課題はマインドセットにあると感じました。そこで20代を「がっつり残業する国内企業」、30代から「定時退社が基本の外資系企業」で働いているぼくが感じた、働くマインドセットの違いについて紹介したいと思います。

広告代理店のブラック労働は変わったか?電通・博報堂関係者、激論2時間 https://www.businessinsider.jp/post-166076

ぼくの20代は、日本でおよそ知らない人がいないであろう超大手企業の子会社でした。転職の転機になったのは、やめる2年前に配属された企画部署でした。200時間残業したことを自慢する先輩や、スタッフ層だけでなく管理職が平然と休日に出社してきます。今月は残業を70時間以内にしよう!という目標が部内展開があるような部署です。

でも若いとやれちゃいます。企画に終わりはなく仕事がたまらなく楽しいと感じる瞬間もありました。もはやきついのは当たり前、今は修行中だ、そんな自分に酔ってしまう時もあります。やめる前の1年間は本当にギリギリで、朝から軽く酔っているような状態が続きます。

それでも、メンタルなんかになってたまるか!と頑張るわけですが、私生活の問題も重なり、いよいよ生きるために転職を決意するにいたります。

帰国子女という強みと、これまでの業界知識と経験の甲斐もあり、いくつかの外資系企業に受かり今の会社に転職します。ここで外資系を選んで転職活動したのは、やりたい仕事はもちろんですが、ワークライフバランスという観点で国内企業にはもう期待できないと思ったからです。(あくまで個人的主観です。実際には、ワークライフバランスのとれた素晴らしい国内企業も多数存在すると思います)

いま転職して3年が経とうとしていますが、一言で大成功でした。毎日が充実しています。

前置きが長くなりましたが、ここからが外資系企業で感じたマインドセットの違いを紹介したいと思います。

1.やらないことを決める管理職のマインドセット

マネージャーは自分のチームが時間内で最大限にパフォーマンスを発揮することに全精力を注ぎます。チーム員が何にどれだけの工数を割いているか日・週・月単位で正確に把握することを求められます。パフォーマンスが落ちれば自分の評価も下がります。目標達成に向けて無駄なこと、優先度の低い業務はバッサリ切り捨てます。時には他部署とも徹底的に闘います。あなたの上司はやらなくていいことを決めてくれていますか?もし違うのであれば、管理職の器ではないのです。

ひとつの例が資料の体裁と補足資料の作成。これよくありますよね?当時の上司に言われたのは、「元の資料で説明できるから、その作業をするなら帰って家族と過ごしたまえ」「補足情報は口頭で説明できない時だけ作ればいいから不要」。

2.残業するヤツはバカだというマインドセット

毎日早く帰るかつ、アウトプットの精度が高い人が評価される空気があります。与えられた時間内でアウトプットを出していくことをみんな必死にやります。そうすると変わってくるのが会議です。みんな最大限に自分の価値を提供し、会議のゴールにたどり着くことに必死になるわけです(みんな早く帰りたいので笑)。これはとても生産性の高いマインドセットで社員の成長にとっても会社にとってもWIN-WINの関係です。あなたの会社は、社員が自信を持って早く帰れる雰囲気がありますか?かけた業務時間と成長は比例すると思っていませんか?

3.幸せになるために働いているというマインドセット

ここが決定的に違います。みんなびっくりするぐらい家族を第一に考えます。役員は会議中でも娘からの電話に出ます。大事な会議があっても子供の入学式を優先し、周りのそれを当たり前のように認めます。子供が病気の時は、周りのチーム員が全力でサポートして早く帰れるようにしてあげます。

会社のために働いているのではなく、自分の幸せのために働いている意識を社員が共有できている会社の居心地の良さは言うまでもありません。

<最後に伝えたいこと>

もし、あなたがいま苦しい立場にいてどうしようもない時は、逃げてください。逃げていいんです。あなたが輝ける場所は必ずあります。

人は自分が経験したものしか体現できないからです。残業・休日出勤が当たり前の環境で育った人が上に上がった会社は、その価値観の枠を出ることは決してできません。そういった会社はこれから、必ず淘汰されていきます。

働きかた改革は、一人一人が変わっていくしかないのです。これは制度でなく、マインドセットの課題です。

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