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読書記録:「あなた」という商品を高く売る方法 -キャリア戦略をマーケティングから考える-

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著書に関する情報
著者:永井孝尚さん
発行日:2017年8月31日 電子書籍版発行
読書期間:2020年1月16日〜22日(7日間)

この本を読む目的

社会人になって4年目で自分のキャリアを考えて転職し、その中で自分の強み・提供できる価値について再考する機会があったが、自身の市場価値を高めるために何ができるのか、そのヒントを得ようと思ったから。

3つの気づき

1.自分の強み=「才能×技術×知識」の方程式
2.フロー体験をいかに生み出せるか
3.コンフォートゾーンからの脱却が肝

1.自分の強み=「才能×技術×知識」の方程式
「強み」は、先天的な「才能(資質・潜在能力)」、後天的に身につける「技術」と「知識」で構成されている。
先天的な要素である「資質や思考パターン」については、3歳から徐々に固定され始め、15歳になるころには基本的なものができあがることが脳の仕組みから分かっており、この思考パターンに沿って日々の行動パターンが積み重なり、資質が強まっていく。その資質を知覚し、活かす活動を行うことで、大きな力を発揮することができる。
つまり「私」という商品の価値を高める出発点は、弱みを活かすのではなく、強みを伸ばすところにある。
なお、自身の資質については、有名な「ストレングスファインダー」で調べたところ、上位5つの資質は「学習欲」「最上志向」「個別化」「未来志向」「適応性」であった。

2.フロー体験をいかに生み出せるか
 著者は、心理学者のチクセントミハイの提唱する「フロー理論」を引用し、「時を忘れるくらい、完全に集中して対象に入り込んでいる精神的な状態」と感じるような「フロー体験」を意識的に創出することで成長と強みの強化がもたらされるとしている。(フロー体験≒ゾーンのようなもの)
 また、「フロー体験」が生まれる条件として①行動の目標が明確なこと、②適切な行動のフィードバックがあること、③その挑戦と、自分の能力(スキル)のバランスが取れていることの3つを上げている。(能力(スキル)と挑戦のレベルがともに高く、釣り合っている状態がフロー状態である。)
ただし、いきなりフロー状態にはなれないので、まずは才能を活かせる分野で能力を一定レベルまで向上させ、その後その能力を少し上回る高めの目標を設定して挑戦を続けることでフロー状態に意識的に持っていくことが必要だ。 

3.コンフォートゾーンからの脱却が肝
 自身の能力が高まってくると、相対的に挑戦のレベルが下がってくるため、フロー状態から「コンフォートゾーン」に陥りやすくなる。意識的に「挑戦のレベルを高める」もしくは「畑を変える」などして、フロー状態を長く継続させることで、さらなる強みを生み出していくことが必要だ。
ウォルト・ディズニーの言葉で「現状維持では、後退するばかりである」というのがあるが、それに近い。

結びに

 本書はマーケティングのエッセンスを交えながら、キャリア戦略、殊「自分という商品」の価値の高め方について書かれていた。本書の中にある、レッドオーシャンではなくブルーオーシャンを、戦わずして勝つという文言からも現れているように、市場が細分化されてきた現代では自らが必要とされる市場が必ず存在し、市場を創出するまたは市場に飛び込むためにも才能・技術・知識の掛け合わせで自身の強みを見つけ、伸ばしていくことが商品価値を高めることに繋がる。
 ただ、あくまで「商品価値」であり、市場規模が矮小であればそこでの商品価値は相対的に低くなってグロースは見込めないので、自らの商品価値を高めることと、自ら市場を拡大させて「市場価値」を高めることを並行して行っていく必要があると感じた。
 この流れで読むとしたら、次は「さあ、才能に目覚めよう -ストレングスファインダー-」かな。資質の項目だけしか見れてなかったし。もっと強みを、自分を理解していきたいと思う。


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