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いわき、初戦を飾れず

水戸に0対1で敗戦

 サッカーのいわきFCは24日、アウェイのケーズデンキスタジアム水戸で水戸ホーリーホックと明治安田J2リーグ第1節を戦い、0対1で敗れた。3バックで臨んだいわきは序盤、加瀬と嵯峨の両ウイングバックを起点に決定機を生み出すが、ゴールを奪いきれず。25分にPKで先制点を献上すると、その後はチャンスを作り出せない時間が長く続いた。終盤は西川ら新加入選手3人を投入するも、水戸の献身的な守備網を崩すには至らず、新シーズンの開幕戦で悔しい敗戦を喫した。いわきは次節、3月3日にホームのハワイアンズスタジアムいわきでファジアーノ岡山と対戦する。

対応された3バック、交代策も不発

 後方からのビルドアップが機能していた序盤は、新しいチームに胸を躍らせたサポーターも多かっただろう。加瀬が右サイドで4人を抜き去ったプレーは、新シーズンへの期待がふくらむ鮮烈な印象を与えた。しかし、水戸の辛抱強いハイプレスに徐々に根負けし、後方でのパスミスが増える。失点シーンも、GK鹿野のフィードがカットされたところから。その後も山下と下田の両ボランチにボールが入らず、水戸の陣内へ侵入する機会が減った。

 途中出場の西川は高い技術を披露したが、出場は64分から。交代枠を2つ残してのタイムアップには、勝ち点3を奪うための「八方手を尽くした」感も欠けた。J2の強敵を圧倒できるほどの個人技術は望めないだけに、試合途中で布陣を変更できるような柔軟性を身に付けないと、昇格圏への浮上は難しそうだ。福島県代表として全国大会にも出場したサッカー経験の長いサポーターは「いわきFCのストロングポイントは何かを意識する必要あり」と、次節以降の改善に期待を込めた。

夢への歩みは着実に

 一方で「スポーツを通じた社会的価値の創造」、「サッカーによる地域経済の活性化」は確実に実を結んでいる。ケーズデンキスタジアムの電光掲示板を挟んで、キングレッドの戦闘服に身を包んだ数百名のサポーターが大小の旗を振る光景は圧巻。新しいチャントも鳴り響き、ゴール裏の応援文化はすっかり浜通りに浸透しつつある。

 3世代で観戦に訪れたという70代の男性は、帰宅途中の常磐高速道路で次々といわきのステッカーを貼った車が追い抜いていくのを見て、「こんなに混んでんのは記憶にねぇ」と喜びまじりで困惑。いわきの活躍を願って、街の後押しは年々力強くなっている。東北一の都市を目指すという途方もない夢へ向かって、今年も浜通りの挑戦が始まった。


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