嵯峨、来季もいわきでプレー

遠藤もレンタル延長、主力が残留

 サッカーのいわきFCは6日、MF嵯峨理久との来季の契約を更新するとともに、アルビレックス新潟から期限付き移籍しているDF遠藤凌の移籍期間を2024年1月31日まで延長したと発表した。

 仙台大学から加入して2年目の嵯峨は今季、主に右サイドバックとして34試合に出場し、リーグ2位となる9アシストを記録した。左右両足から繰り出されるクロスは相手DFが対応しにくい球質で、90分間走り切れる運動量と相俟って、いわきの強力な武器となっていた。遠藤は6月に新潟から育成型期限付き移籍で加入すると、ケガで長期離脱したDF星キョーワンの穴を埋めるように、センターバックに定着。20試合に出場して2得点も記録した。

 今季のディフェンスラインを形成した24歳の主力2人が残ったことで、J2挑戦に向けたチームの土台づくりは一歩進んだ格好だ。遠藤が新潟に戻ることを覚悟していたいわきサポーター(7歳)は「やった!残るの⁉」と驚きと喜びが入り混じった表情を見せた。

嵯峨 vs 日高、千葉戦は夢の詰まった対決に

 右の嵯峨、左の日高。今シーズン、両サイドバックの存在がいわきの爆発的な攻撃力を生み出していたのは間違いない。遠めからサイドバックらしい美しいクロスを上げたかと思えば、スピード豊かに相手ペナルティエリアまで一気に侵入し、決定機を何度も作り出してきた。「90分間止まらない」サッカーを文字通り体現していた2人の活躍があればこそ、いわきがJ参入初年度でのリーグ制覇を成し遂げることができたと言っても過言ではない。

 しかし、日高はシーズン終了後にジェフユナイテッド市原・千葉への移籍を決断。いわきで今季の副キャプテンを務めた2人が、来シーズンは同サイドで向かい合うことになる。改修されたいわきグリーンフィールドで、スタンド近くの芝生を蹴り上げて並走する2人の姿が、今から目に浮かんで仕方ない。

 FIFAワールドカップ2022カタール大会で、日本代表はまたしてもベスト8にたどり着けなかった。また今日から、日本サッカー界の新しい挑戦が始まる。「グローバルスタンダード」を掲げるいわきFCで育った選手が、Jリーグでしのぎを削り、世界へ漕ぎ出し、いつかワールドカップをつかみ取る。嵯峨と日高の激突にはそんな夢も、詰まっている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?