いわきFC、6試合ぶり敗戦

宮崎に零封負け、2位との勝ち点差は6に

 明治安田生命J3リーグは今週末に第31節を行い、首位のいわきFCはアウェイのユニリーバスタジアム新富でテゲバジャーロ宮崎に1対0で敗れ、連勝が5で止まった。2位の藤枝MYFCはガイナーレ鳥取と引き分け、いわきとの勝ち点差を6に縮めた。AC長野パルセイロとの信州ダービーを制した松本山雅FCが、鹿児島ユナイテッドFCをかわして3位に浮上。藤枝と勝ち点で並んだ。いわきは6戦ぶりの黒星を喫したものの、得失点差で他チームを大きく引き離しているため、11月6日にホームのJヴィレッジスタジアムで開催される次節の鹿児島戦に勝てば、J2昇格と優勝をほぼ確実なものにする。

果敢に攻めるも、得点奪えず

 いわきは攻守の柱になりつつある家泉と有田を控えに回し、センターバックに今季初先発となる米澤、右サイドバックに江川を起用。嵯峨をサイドハーフ、岩渕をフォワードに押し上げる布陣を敷いた。スピードと運動量に長けたメンバーを揃えたことで、試合の序盤から高い位置でのボール奪取に成功する。

 しかし16分、宮崎の左サイドバック新保が前線へロングボールを送ると、FW橋本がいわき陣内のゴールラインぎりぎりで米澤と体を入れ替え、そのままペナルティエリアから豪快なシュート。坂田の頭上を破り、先制点を奪った。いわきは22分に岩渕が相手GKの石井と1対1の局面を迎えるも、ブロックで決定機を逸した。前半、シュート数はいわきの6に対して、宮崎はゴールした1本のみ。リードを許しながらも、いわきが試合を支配し続けた。

 後半に入ると、谷村を投入したいわきがさらに攻勢を強める。65分には山下のフリーキックに谷村が打点の高いヘディングシュート。同じく途中投入された有田も、66分にドリブルでペナルティエリア右から侵入し、鋭いシュート。アディショナルタイムには、宮本のクロスに山口がヘディングシュートを見舞った。だが、いずれもGK石井のナイスセーブに遭い、スコアは1対0から動かず。後半も宮崎のシュートを1本に抑え、内容では圧倒しながらも、昇格を前に足踏みする結果となった。

気迫示した山口

 ゴールラインを割ることはできなかったが、気迫あふれるプレーを随所に見せた。いわきには少ない、テクニシャンタイプのMF。しかし、いわきで試合に出るからには、労を惜しまないランニングとフィジカルコンタクトが要求される。

 岩渕が22分に迎えた決定機。GKに防がれたシュートへいち早く反応し、あわやPKというシーンを演出した。47分に岩渕が日高のクロスにダイビングヘッドで合わせた場面も、山口が左サイドで精力的にパス&ゴーを繰り返し、相手守備陣をかく乱して生まれた。持ち前の技術の高さも披露し、パスを出す前に一呼吸置くことで、相手を幻惑し続けた。

 ただ、目に見えた結果だけが残せなかった。いわきサポーター(6歳)は試合後に「山口、何かしてたっけ」とコメント。同じテクニシャンタイプの永井が長期離脱中で、今節は岩渕がけがで途中退場するなど、いわきの台所事情も苦しくなってきた。残り3試合、ゴール、アシストという分かりやすい形での、サポーターを納得させる働きが求められる。


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