いわき、アウェイで勝ち点3

大分に2対1、7戦無敗で暫定16位へ

明治安田生命J2リーグ 第27節
 サッカーのいわきFCは22日、アウェイのレゾナックドーム大分で大分トリニータと対戦し、2対1で2試合ぶりの勝利を収めた。いわきは前半終了直前にFKのこぼれ球をつなぎ、MF山口がヘディングで先制点。後半に入ると運動量で大分を圧倒し、58分にMF岩渕がMF加瀬のクロスを流し込んで追加点を挙げた。84分にGKとDFの連係ミスから失点し、終盤にはあわや同点というピンチを迎えるも、大分のパワープレーをしのぎきった。いわきは通算成績を8勝7分12敗として、勝ち点を31に積み上げ、暫定16位に。次節は29日にホームのいわきグリーンフィールドで、ジュビロ磐田を迎え撃つ。

掴んだ上昇気流

 ついに上位の壁を破った。しかも相手は、4月のホームゲームで実力差を見せつけられた大分。相手CBには昨季のJ3でFC今治に所属し、いわきを2試合とも無失点に抑えた190cmの安藤も出場していたが、いわきはディフェンスラインからのビルドアップを交えながら、俊敏なプレーで大分守備陣を攻略した。

 先制点の場面でも、左サイドの河村からDF遠藤、家泉と繋いだボールを、GK鹿野がペナルティエリアを大きく飛び出した位置から、右サイド奥へロングフィード。これが俊足の加瀬に渡り、FKを獲得したところからゴールが生まれた。前回の対戦でいわきが苦しんだ大分のビルドアップを、今度はこちらがお返しするような見事な連携だった。

 田村監督の采配もズバリと当たった。まずはDF江川を組み入れた、3バックの採用。今季はジェフユナイテッド千葉に移籍したDF日高ほど左サイドバックの適正値が高い選手が見当たらない一方、1対1に強いセンターバックや、スタミナと攻撃力に長けたウイングバック型の選手が多いため、サポーターの間でも3バックを提唱する声が挙がっていた。大分の4-3-3にマンツーマンで張り付くようなこのシステムが機能。最終的には、運動量で優位性を作り出すことに成功していた。

 さらに、ハーフタイムでの岩渕の投入。ゴールばかりではなく、前半にイエローカードを受けたFW谷村と代えたことで、守備面でも退場を恐れることなく、激しいチェックが可能に。田村監督の的確なリスクマネジメントが勝利を呼び込んだ。

 快勝ムードが暗転するような終盤の失点や、安藤のヘディングに手を焼いた点などは今後の課題として残るが、それでも後半はJ1経験の長い大分を相手に、ほぼ何もさせないサッカーを披露した。チームは完全に上昇気流に乗っている。次節の対戦相手はJ1で一時代を築き、前節まで3連勝中と波に乗る磐田。手強い相手を迎えるが、いわき市在住のサポーターは「来週も期待」と巻き返しはじめたチームを応援すべく、意気込んでいる。



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