いわき、辛くも連敗阻止

明治安田J2リーグ 第20節

 サッカーのいわきFCは16日、ホームのハワイアンズスタジアムいわきでヴァンフォーレ甲府と対戦し、1対1で引き分けた。いわきは19分、加瀬の突破から最後は有馬が押し込んで先制。しかしその後は長短のパスを駆使する甲府に押し込まれるシーンが目立ち始めた。後半に入り、64分には中盤でのプレスをかわされ、PKを献上。これをウタカに沈められた。ただ、終盤にかけて訪れた再三のピンチは、立川が好守でしのぎ、勝ち点1は死守した。7勝7分5敗の勝ち点28としたいわきは8位で変わらず。白星は挙げられなかったものの、連敗は阻止した。いわきは次節、22日にアウェイの維新みらいふスタジアムでレノファ山口FCと対戦する。

劣勢で光る立川の好守、ケガ人の早期回復に期待

 いわき市在住の70代女性が「今日は負けちゃって残念でした」と結果を勘違いするほど、危険な場面が多い試合となった。いわきも谷村や山口が惜しいシュートを放つ場面はあったが、決定機の数は明らかに甲府が上回っていた。特に後半から入ってきたウタカは、正確な技術と卓越したボディバランスを随所で披露。立川の好セーブがなければ勝ち点は得られなかっただろう。

 暑いなかで交代カードを2枚しか切れなかったことも、試合展開を難しいものにした。センターバックとウイングバックに適性のある選手がベンチにいない状況では、交代選手の投入も戦術の変更も勇気が要っただろう。次節以降に待ち受ける上位陣との連戦までに、照山らケガ人の回復が待たれるところだ。

 一方、晴天にも恵まれ、今節の入場者数は4,000人超え。かき氷やビールの売れ行きも好調だったに違いない。町おこしとしての機能は、今節も十分に働いた。

 さらに、この試合ではゴール裏に無数の赤いフラッグが。これにはいわきサポーター(8歳)も思わず「カッコイイ……!」と見とれていた。来月10日にはサンフレッチェ広島を迎えての、天皇杯3回戦も予定されている。クラブと同様、発足から10年に満たない期間で急速に存在感を高めてきたいわきサポーターの存在は、長年サッカーを愛してきた広島の人々にも、必ず響くはずだ。

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