いわき、仙台に惜敗

明治安田J2リーグ 第18節

 サッカーのいわきFCは2日、ホームのハワイアンズスタジアムいわきでベガルタ仙台と対戦し、1対2で3試合ぶりの敗戦を喫した。いわきは試合開始直後、仙台に立て続けに与えたCKから失点。苦しい立ち上がりとなった。逆に後半は、いわきが開始直後から猛攻を仕掛け、46分に谷村が見事なダイレクトシュートで同点。しかし、仙台も52分に左サイドのドリブル突破から、最後はこぼれ球をオナイウが押し込む。再び追う展開となったいわきは有馬や加藤らがゴール前に迫るも、一歩及ばず、東北の雄に勝ち点3を献上する格好となった。敗れたいわきは7勝6分5敗で勝ち点27のまま、8位に後退。YBCルヴァンカップの日程調整により、いわきの次戦は12日の天皇杯を挟み、16日にホームのハワイアンズスタジアムいわきで行われる、ヴァンフォーレ甲府戦となる。

怒涛の攻め見せた後半、リーグ2巡目への期待

 センターバック3枚の中央を務めてきた照山と、中盤の底でつぶし役を担ってきた大西。今季の安定した守備を支えてきた2人をケガで欠くなか、田村監督は下田をアンカーに据え、快足がウリの加瀬と坂岸を両翼に起用した。だが、前半は開始早々に先制点を挙げた仙台が、4‐4‐2のブロックを崩すことなくいわきの攻撃に対応。いわきがサイドチェンジで打開を試みるシーンでも、仙台の守備陣は横へ素早くスライドし、いわきのウイングバックにほとんど仕事をさせなかった。

 しかし、後半に入るといわきが息を吹き返す。加瀬のクロスに谷村が右足で合わせて同点。52分に名願のドリブルから得点を許すも、その後は西川と下田が中盤で相手守備陣を引き付け、スペースが生まれた両サイドから、質の高いクロスが何度も前線に供給された。放ったシュートは相手の倍以上となる16本。敗れはしたものの、東北最大の都市を相手に、果敢に同点を目指して向かっていく姿は、クラブの掲げる理想を体現していた。

 結果を分けたのは試合運びと、判断力を含めたゴール前での技術力か。同点に追いついた後もイケイケで攻め立てたが、「バタバタしている」(40代女性)ようにも見受けられた。前がかりになるリスクを、仙台に利用された点は否めない。一方、30分と67分に有馬に訪れたチャンスは、右サイドで駆け上がる加瀬や相手GKのポジショニングをそれぞれ冷静に見る余裕があれば、得点が生まれていただろう。ただ、決定力はほぼすべてのサッカーチームが抱える課題。いわきも昨年に比べれば確実に改善しており、その過程をともに歩める現状は、サポーターにとっての幸福だ。

 次の甲府戦までは2週間のインターバル。6節ごとに勝ち点9という目標を惜しくも達成できなかったが、2巡目を迎えるリーグ戦で一段の成長を見せることができるか。選手もサポーターもまずは静養に努め、英気を養いたいところだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?