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いわき、あすアウェイで山形戦

明治安田J2リーグ 第24節

 サッカーのいわきFCは14日、アウェイのNDソフトスタジアム山形でモンテディオ山形と対戦する。3連敗中のいわきは、8勝7分8敗の勝ち点31で暫定9位。前節は大分トリニータを相手に押し気味に試合を進めるも、試合終了間際に決勝点をさらわれた。10日に行われた天皇杯3回戦でも、サンフレッチェ広島に0対4で大敗。力の差を見せつけられた。一方のモンテディオ山形は8勝5分10敗の勝ち点29で11位。順位こそいわきを下回っているが、直近2試合を連勝で飾っており、過去5試合で失点は3と、守備が安定してきた。もともとは昇格候補の一角に数えられていたJ1経験クラブ。過去3試合の対戦成績を振り返ってみても、いわきは白星を挙げられておらず、間違ってもいわきが受けて立つような相手ではない。戦力の入れ替えと天皇杯の敗退で、あらためてシーズン後半への仕切り直しとなる一戦。4試合ぶりの勝利を目指して、キックオフは19時。

マネーゲームへの参入と挑戦

 いわき市内で商店を営む40代サポーターが10日の広島戦後に「結局はカネ」と結論づけたとおり、プロスポーツの成績は人件費に左右される部分が大きい。CKから強烈なヘディングシュートを2回も叩き込んだ日本代表経験者の佐々木は、推定年俸が5400万円とも9,000万円とも言われる。20代前半の選手たちが多いいわきの平均年俸を500万円と仮定した場合、実に10人分以上の人件費が佐々木一人に掛かっている。

 Jリーグが公開しているトップチームのクラブ別人件費を見ると、いわきは2023年度で2億8,200万円。広島は24億3,500万円と文字通り桁違いで、今節対戦する山形も8億3,900万円と、いわきの約3倍にあたる資金を人材の確保に割いている。もちろん1試合の結果や、1シーズンの成績が人件費の差を覆すことはあるだろう。しかし、いわきが成長を続けるためには、優れた選手を獲得するだけの資金力が必要になってくる。既存スポンサーからの増資、新規スポンサーの獲得、グッズ販売の拡大、そして新スタジアムの建設とチケット収入の増加と、スポーツビジネスに必要とされる財務的な要素をすべて向上させていかなければいけない。いわきもマネーゲームへと本格的に身を投じる時期を迎えた。

 クラブ創設から10年も経たずにJ2まで上り詰めた成長速度は驚嘆に値するが、人口30万人規模の浜通りが大都市のクラブと競うまで成長するには、ここから相応の時間がかかるだろう。それでも隣県に鹿島アントラーズという模範的な存在がある以上、不可能ではないはずだ。「東北一の都市」を目標に、揺るぎない覚悟を持つクラブと、毎週毎週の応援がクラブの成長に繋がることを願うサポーター。地域のビジネスパートナーを巻き込んで、スポーツビジネスによる復興へのチャレンジは、明日の山形でも繰り広げられる。



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