いわき、昇格近づく4連勝

沼津戦に4対0、3位との勝ち点差は7に

 サッカーのいわきFCは16日、愛鷹広域公園多目的競技場で行われた明治安田生命J3リーグの第29節でアスルクラロ沼津と対戦し、4対0で勝利した。いわきは今季2度目の4連勝で、勝ち点を66に伸ばした。鹿児島ユナイテッドFCが同日のテゲバジャーロ宮崎戦に1対2で敗れ、3位に後退。代わってカターレ富山との上位対決を制した藤枝MYFCが、勝ち点61で2位に浮上した。5試合を残し、いわきと3位鹿児島との勝ち点差は7。サッカーのリーグ戦で勝ち点を縮めるには、同じ数の試合が必要と言われるなかで、昇格に一歩近づく一勝となった。いわきのサポーター(6歳)も「いい勝ち点3を取れたので、このまま優勝したい」と、一体感を示しながら喜んだ。いわきは次節、3試合ぶりとなるホームのJヴィレッジスタジアムで、愛媛FCと対戦する。

後半一気3ゴール、有田は4試合で7得点

 山口、古川を先発で起用し、前節からメンバーを変えて臨んだ前半。いわきは開始早々の2分、日高のアーリークロスを岩渕が左足のダイレクトボレーで合わせ、沼津ゴールをいきなり脅かす。これは沼津GK武者に弾かれたが、18分には早くも先制点を奪取する。左サイドでパスを重ね、相手マークを混乱させると、岩渕が密集地帯をドリブルで抜け出し、ペナルティエリア左からタイミングをずらした右足アウトサイドのシュート。武者はグラウンダーのボールを止めきれず、詰めていた有田が難なく押し込んだ。前半の終了間際に沼津が風上を活かしたロングボール攻勢からシュートまで持ち込むも、決定機には至らず。いわきが1対0でリードして、前半を折り返した。

 後半に入ると、いわきが持ち前の走力で沼津を圧倒し始める。まずは50分。宮本が左サイドから柔らかいクロスを上げると、古川が滞空時間の長いジャンプからヘディングシュートをうまくゴール右隅へ放り込んで、追加点を挙げる。続いて58分、山口がパスカットしたボールを中央の岩渕へつなぎ、岩渕がゴール前へと走り込んだ有田へ、優しいスルーパス。有田は武者の飛び出しにも慌てず、右足のインサイドキックで丁寧にゴールへ流し込み、3点目を奪った。有田は3試合連続の2得点。ここ4試合で7得点を挙げ、得点ランキングのトップに並んだ。とどめは63分。岩渕の蹴った左コーナーキックに、遠藤がタイミングよく頭で合わせ、4対0とリードを広げた。

 沼津は76分に、MF森がいわきのディフェンスラインの裏に飛び出して決定機を迎えるも、シュートはゴールの右にそれ、得点できず。いわきがそのまま、前回対戦と同じ4対0のスコアで勝利を収めた。いわきを応援していた観戦者(10歳)が「大量得点できたのは、やっぱり走れたから」と言うように、いわきが豊富な運動量で、危なげなく白星を挙げた。

岩渕、多彩な技術で3得点を演出

 なんでもござれの大活躍だ。岩渕がドリブル、パス、シュート、プレースキックと、多彩な技術を発揮して次々と決定機を作り出した。先制点の場面では、ボールを失いかけたところから、相手の気が緩んだとみるや、流れるようなドリブルで3人を一気に交わし、トリッキーなアウトサイドシュート。2点目のスルーパス、4点目のコーナーキックはキック精度の高さを見せつけた。

 加入3年目の今季は、コンスタントに結果を残している。第11節のY.S.C.C.横浜戦では、ハットトリックを達成し、6月のリーグ月間MVPにも選ばれた。ただ、9ゴールを挙げている足下の技術もさることながら、走力と競り合いでの強さが目立つ。仙台大の後輩でもある嵯峨と組む右サイドでは、チームのピンチに駆けつけるように、どんなに長い距離でもスプリントして帰陣する。多くのメンバーがそうであるように、岩渕もまだ成長途中の25歳。もっと強く、もっと速く、もっと上手く。マルチスキルを備えた岩渕のさらなる活躍が、いわきを昇格へと導く。


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