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【ブルベ走行録】パーマネント八代海355km

2023年12月28日
パーマネント八代海355kmのブルベを走ってきたので、走行レポートです。

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スタート地点は熊本県宇城市の松橋駅前。仕事を定時で終えてそのまま向かった。
松橋駅って、「まつばせ」と読む。なぜ「まつはし」では無いのかはWikipediaを参照してほしい。面白い由来なのだ。
午前0:00。私の乗ってた最終列車が過ぎ、誰も居ない駅舎の前で自転車を組み立てる。いつも思うが、熊本って朝晩は結構冷え込む。吐く息が白い。同じ九州でも長崎とは結構違う。
とりあえず腹ごしらえと着替えを兼ねて近くのジョイフルへ向かう。コロナ後すっかり減ってしまった24時間営業が有難い。うどんとしらす丼のセットという、いかにも胃に優しいメニューで腹を満たす。

1:45頃にファミリーマート不知火役場前店へ向かう。ここでパンとおにぎりをそれぞれ2個ずつ。出走のエビデンスとなるレシートを確実に受け取り、いざ出発!フィニッシュ期限は23時間40分後だ。

スタート地点近くのコンビニでレシートをもらう

最初は宇土半島の南側を西進する。三角港の手前で戸馳島へ渡る。24km地点で最初のチェックポイント(以下PC)だ。指定の写真を撮り、どのくらい残り時間を稼いだかチェック。

・・・あれ?30km/h弱で飛ばして来たのに目安時間に2分遅れ。なして?と思ったら、出走時刻を1:30で申告していたことが判明💦 何故か2:00だと勘違いしていた。でも逆に考えると、24kmで30分の遅れを取り戻したとも言える。先は長い、落ち着いていこう。

天草五橋を渡り、満月の月明かりの下、天草下島を淡々と進む。44kmのPC2では14分、83kmのPC3では57分と徐々に時間の貯金が増えてきた。

この日はほぼ満月だったので、かなりの月明かり。そんな中を走るのは爽快

120km地点で天草市中心部に到達し、ちょうど朝の通勤ラッシュと重なった。ここから牛深までの60kmは補給ポイントが無さそうなので、コンビニでおにぎりやパンを買い込む。
適当なタイミングで走りながら食べるのだ。

市街地を後にし、天草下島の南岸をひたすら進む。入り江の風景が美しく、交通量少ない良ルートだ。
しかしまあ、本当に補給ポイントが無い。商店は皆無、自販機もそんなに頻繁には無かった(と思う)。
追い風効果もあり、牛深へ到着した時には120分ほどの貯金になっていた。

ここで問題なのが長島へ渡るフェリーの待ち時間だ。次の便は70分後。航行時間は30分なので、自動的に100分はここで失うことになる。

待ち時間で町中華に入り食事、PC5の写真撮影、それから食料の買い出しをしたり、牛深ハイヤ大橋を見に行ったりした。

長崎で見慣れた皿うどんとは違い、「あん」が無い
牛深ハイヤ大橋
天草の南端、牛深地区はハイヤという民謡発祥の地のようだ

長島への航行時間は、ダイヤ上は30分だが、下船に時間がかかったからなのか、さらに10分くらいかかった。結局、貯金は5分になってしまった。

ここからがアップダウンが多くなるので、本来なら貯金を切り崩しながら進みたいところだったが、ペースの維持が必要になった。

フェリーを降りたらすぐに国道389号。ここは鹿児島県だ。初めての鹿児島に心躍るが、いきなり急勾配の登坂車線がお目見え。まさに洗礼。一気に200mほど登る。しかも時間的余裕も無いのでペースを上げる。補給に気をつけて進む。

鹿児島県長島町の蔵之元港
下船して即急勾配。少し進むと登坂車線も。

しかし長島は、聞いてはいたが本当にアップダウンしか無い。しかも一つ一つが大きい。長崎の外海のようだ。汗をあまりかきたくないけれど、時間を考えるとそうもいかない。

一方、実に風光明媚でもある。次は時間に追われることなくゆっくりと周りたい。

蔵之元港から西進すると、のどかな畑作地帯が広がる
伊唐大橋
長島の島内にはこんなオブジェも

長島を過ぎると阿久根市内に入り、やはり八代海沿いの県道を行く。長島ほどでは無いが相変わらずアップダウンが多い。この区間で一瞬ハンガーノックになりかけた。長島で頑張った時の補給が足りていなかったのだ。
慌てて手持ちのエナジージェルを摂取。幸いにも30分ほどで元に戻った。

出水市に入るとそこらじゅうからツルの鳴き声が。出水市は「ツルの飛来地」だそうだ。北海道ではタンチョウが有名だが、出水もツルが有名なのか。知らなかった。

写真だと全く見えないが、鶴の鳴き声がかなりはっきりと聞こえた区間だった

長島以降、途中のPC6、7、8ではずっと20分強の貯金だった。相変わらずゆっくり休憩している暇はない。おにぎりやパンは基本的に走りながら食べる。

PCのひとつである肥薩おれんじ鉄道の野田郷駅
駅舎が夕日に染まる

250km地点、出水市の中心部あたりで日没。
ここから水俣までは国道3号を走ったが、すぐに逸れてPC10の和田岬へ。周囲真っ暗。

和田岬公園

その後ずっと県道56号を進んでゆくが、途中に道路工事による通行止め箇所があった。幸いにもすぐ近くの旧道で迂回出来た(クソ激坂だったが)。迂回路が遠かったらアウトだった。パーマネントは自己責任により交通情報はきちんと調べなければならないが、すっかり忘れてた。次からは注意せねば。

あと、この県道区間も50km以上に渡って補給ポイントが無い。小さな漁村はいくつもあるのだが、夜間だったこともあり商店などは見なかった。こういうのも調べられては無かったので、注意したい。

県道56号沿いにあるPC11、芦北町女島活力推進センター

300km地点でコンビニがあり、チョコレートなどを補給。そして次のPCへ向け最後の大きい登り、しかも結構な勾配。ここまで散々アップダウンがあったのにこれはキツい。登坂中、路上にシカやイタチもいた。下りは急ぎたいところだが、動物が飛び出してきて転倒…は避けたいので安全速度で下る。

335kmで最後のPC。30分ほどのマージンになっており、もう大丈夫。
しかし急に冷や汗がドバっと出てきてちょっと吐き気もしてきた。ずっと食べ続けてたからさすがに胃がダメになったか。慌てて胃薬を飲むとともに、冷や汗で一気に体が冷えてしまったので持っている防寒着全て着込み、ゆっくり走り出す。

PC13くまモンポート。ここで冷や汗ドバドバに

しばらくヘロヘロ状態だったが、残り10km地点でようやく元気になってくる。もう坂は無い。早く終わりたくて、30km/h弱のスピードでラストスパート。補給が切れないことをもはや祈るのみ。

20分ほど踏み倒したら、スタート地点近くのコンビニが見えてきた。レシートをもらいフィニッシュのエビデンスとして保管する。

そこから数百メートルでスタート地点の松橋駅まで戻った。フィニッシュ時刻は0:37、最終的に33分残った。ここまでギリギリのフィニッシュは初めてだった。

松橋駅でフィニッシュ

思い返せば1:30で申告したのに2:00にスタートしてしまったというケアレスミスから始まったけど、1:30にスタートしたとしても1本前のフェリーに間に合ったかはかなり微妙だった。つまり1:30でも2:00でも乗ったフェリーは同じだったのだ。1:00だったらちょうどよく1本前だっただろうし、逆に2:30スタートならちょうどよく1本後に乗れたんだと思う。
まあ、結果論ではあるが・・・💦

とにもかくにも、事故なく無事にフィニッシュできて何より。そして翌日長崎まで自走で帰宅したことでFestiv500も同時達成。良い年末になった。
2024年もBRM・パーマネントを問わずブルベに参加していくぞ~
(おわり)

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