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陰キャラであることを誇らしく

私は小さい時からずっと陰キャラと呼ばれる日陰ものでした。

いやもしかしたら小学生の時は違ったかもしれない。
明るく元気に外でも遊べば、ゲームもする一般的な子供でした。


ーーそもそも陰キャラとは何か。


こんな話からすることが望ましいでしょうか。
学校やその年齢のたびに訪れる弱肉強食構造の最底辺。

おそらくここが陰キャラの立ち位置だと考えます。


調子に乗ってないのに


中学2年生の春のことでした。
みんなが仲良くなり教室で騒いでいました。

1人の友人が、
いや友人だった人が”切れた”ときの話です。

お前調子乗んなよぼけ。

ぼくに向けられた言葉でした。
他に一緒に騒いでいる人はもちろんいた。
しかし確実にぼくに向けられた言葉なのです。

そのときに自分の立ち位置を知ってしまいました。

理科の時間には食物連鎖を学びます。
中学生の私にとって確実に辛い内容なのですが、

事実として知らされてしまうのです。

優しいだけ。筋肉がないだけ。
色々な要因はあると思っています。

しかし精神的に、肉体的に伝わるものがあります。
それはまだ子供の精神にも深く刻み込むのです。

ーー陰キャラは恥ずかしいことなのだ。


白秋の日々


そんな中でも身体は常に成長を続けます。
早生まれで小さい身体ながらも、
高校生へと進学を余儀なくされます。

恥ずかしい自分に何ができるのかと。
こんな存在の自分はいらないものだと。

そんな考えを抱いてるものですから、
友達なんかできるわけもありません。

逆の対極線上にいる”陽キャラ”
ここではあえて、”陽キャラに群がる人”

そんな下世話な言い方をしますが、
ひどい嫌悪感を感じてしまいます。

高校生らしいこともしようとしましたが、
高校生なりに裏切られたこともあります。
悲しいもので、
大人も陽キャラの味方であることが多いです。

ここはアニメの世界も変わらないな。
と卑屈になっていくのを感じます。

最後まで何も解決はできません。
人を呪えればいいのですが、
陽キャラにもいい人は現れるものです。

こんなぼくに挨拶をかけるのです。
ぼくは卑屈ですから、
まともに答えを返すことはできません。

ーーああ。そうか。
ーー悪いのはぼくなんだ。
ーー全て悪い。どうしようもない。

卒業式で高校生なりにしっかり決めます。

ーー陰キャラである自分で呪おう。


卒業への決意


私はなぜあのときこのような選択をとったか。
今考えても分かりません。

自分を卑下して、
いくらでも逃げる場所はあったはず。

進学先になんと!
美容師の専門学校を選びます。
特に髪型にこだわりがあったわけでもありません。

少しナルシストな面はありながらも、
一番向いてない職業だとわかっていましたから。

しかし陰キャラでも、
いや、陰キャラだからこそ。

わかる何かがあるのではないかと。
そう信じて挑戦を続けます。

本当はそんなことを考えていたかすらわかりません。
むしろ陽キャラへの憧れ。
と考えてしまった方が自然にすら感じます。

しかしここで認めてしまったら。
生きてきた全てを全否定するようなものです。

それは許せない。
いや許してはいけない。

必死でギリギリの柵を守るのです。


青春の間違い


しかしいい点数はとっても、
真面目なキャラにしかならないのです。

美容として成り立つどころか、
学生生活としても成功しているとは言えません。

ーーキャラのせいにしているのではないか

この心がダメなものなんだ。
1つの言葉で括ってはいけないものだ。

むしろこの感情こそ。
”陰キャラにしかできないことではないか。”

答えは簡単に出るものではありません。
陰キャラは陰キャラであること。

この固定概念は難しいものでありますから。
しかししっかり心に刻み込みます。

ーー陰キャラであることを否定しない。


陰キャラとして


そこから美容師に就職します。
やはり前途多難というか、うまくいきません。

単純に自分のせいと言われたそこまでですが、
人間関係がうまくいかないことはよくあります。

それがうまくできているなら、
陰キャラなどというレッテルは付けられないのですから。

しっかり社会から投げ出されてしまいます。
別に首になったわけでも、虐められたわけでもないですが、
突きつけられた”人生は甘くない”です。


憧れ


しかし人生にはモテ期は存在するようで、
そんな陰の生活を送ってきたぼくにも、

恋愛をする機会というものがやってきます。
もちろん陰キャラを否定しないように生きているので、
当たり前のように人を傷つけていきます。

おそらく若くして体験することを、
大人でしてしまうのです。

後で気づくことではありますが、
人にダメージを与えるということは、
後々自分にダメージを与えることに繋がります。

その言葉通りのしっぺ返しは、
忘れさられた頃にやってきます。
本人が知るのはもっと後の話です。

ーー普通とは何??

陰キャラであるからこの経験をしたのか。

それは違うような気がします。
しかし起因には間違いなくあって、
レールに沿った結果なのか、
つまり周りと違った体験をできるのでは。

ーーこれは普通??

答えなど誰も知らないのですから。
辛い思いをするぐらいならプラスに考えるしかない。
そう考えるのが普通だろうと考えるのです。

ーー普通と考えれば考えるほど

だんだん陥っていきます。
陥れば陥るほど普通でなくなっていきます。

人間の防衛本能とは恐ろしいもので、
こんなマイナス思考をもプラスにするのです。


ーー陰キャラであることを誇らしくーー


呪っていたものを誇らしく思うこと。
皮肉にもこれが唯一の防衛策となります。

まともに生きなくていいなら、
まともに働かなくていい。

結婚しなくていいなら、
お金は必要以上に稼がなくていい。

将来を考えなくていいなら、
今を楽しく暮らせばいい。

決めつけた幸せな生活から、
一番否定される生活をすること。

復讐のような行為ですが、
せめて羨ましいと言われるほどに、
誇らしく生きて死んでやろう。

今日の事はわかりませんが、
明日もぼくは陰キャラです。


おわり


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