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メルカリのPMに求められるたった一つの事実

このnoteは何?

⭕️メルカリのProduct Manager(以下PM)に求められることについての「事実」とそれに基づいた @shun_kawamura の考えを記載しています。
もともとは自分のチームのPMに何度か話した内容を整理して、社内に展開したのですが社外の方の役に立てる部分もあるかと考え、noteにしてみました。

⚠️PMとして必要なスキルセットなどについて記載しているわけではありません。

そういったことに興味がある場合は、メルカリ、ex-メルカリの方々の素晴らしい記事があるので、それらを読んでもらえるとよいかと思います。
@tairosan:イケてるプロダクトマネージャーは何を大切にしているのか? | ユニコーン人材の転職術

@kyosu_ke:PdMの業務内容と企画における5つのフェーズ│About Product by @kyosu_ke

@fritz:プロダクトの成功に必要な 3 つのステージと 20 のタスクについて:現場の動き方をまとめました|Fritz | Product Manager @ Mercari|note

メルカリのPMに求められる職務

結論から言います。

PMに求められること、というよりも「メルカリのPMができること」として、開発した機能について「これをリリースする!」という決定権を持っているという点があります。

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これが何を意味するのか?前提を説明します。

・メルカリでは、開発する内容の管理をAttlassian社の「JIRA」で行っています。
・日本向けのメルカリの"プロジェクト"(※1)内のリリースは、すべてJIRAのチケットと紐付いている必要があります。紐付いていないと、リリースできないように制御があります。
  ※1:JIRA上で用いられる単位。チーム単位で運用する場合もありますが、日本国内向けの開発に関しては、おおよそ一つの"プロジェクト"で管理されています。
・紐付いたチケットが「Release OK」のステータスに変更されていないと、リリースできない制御があります。
・「Release OK」のステータスに変更できるのは、PM or (Engineering)Managerのみ。QA TeamやDevelopersにはその権限は付与されていない。

その機能開発を主導したソフトウェアエンジニア(以下SWE)でもTech Leadでもなく、PMがリリース可否を決める強い権限を持っている

ここまでは事実です。以降はそれを踏まえての私の考えです。

PMの「説明責任」

突然ですが、「RACIチャート」をご存知でしょうか?社内でこのチャートを利用しているわけではないのですが、これからの説明に都合がいいので紹介します。

古くからこのフレームワークを活用していると思われるMicrosoft社のサイトを参考にすると、あるタスクについて、関係者は下記4種類の役割に分ける際に利用される図です。

・結果に対して "責任" を負う任意のチーム。
・1 つの機能に対して "説明責任" を負う 1 つのチーム。
・計画中に "助言" を求められる必要のあるチーム。
・作業が完了したときに "通知" を受ける必要のあるチーム。

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このチャートを踏まえつつ、ソフトウェア開発のフローについても前提を揃えさせてください。

既にこうした業務に携わっている方からしたら自明かもしれないですが、機能をリリースするまでは、規模が大なり小なり、多くのステップを経る必要があります。

品質保証のための各種テスト、実装、設計検討、UIデザイン、UX設計、企画、調査、与件の把握、などなど…

これは私個人の主張ですが、PMがリリース可否を決定するのであれば、そこに至るまでのすべてのフローについて「説明責任」を負う、負えるべきだと考えます。

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ソフトウェア開発におけるRACIチャートの一例

その前提に立つと、@tairosanがtweetやブログ内でも言及していた「PMという職種はコンピューターサイエンスの学位やエンジニアの経験が必須」というのは、主にソフトウェアエンジニアが担当した領域について、理解し説明できるようになるために必要な手段なのではないかと考えます。

一番大切なこと

ここまで、「メルカリのPMができること」とそれに基づいた「私が考えるPMの責務」について記載しました。

そして一番重要だと思うことについて、最後に一点共有させてください。

もしこれを読んでくださったあなたが、PMないしはそれに準ずるお仕事をされているのであれば、第一にすべきは「チーム/関係者との、あなたの役割について認識を合わせるコミュニケーション」だと思います。

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一般論として、PMに必要なスキルや業務内容などは言えると思います。

でも、それはあくまで一般論。

今、あなたが向かい合っている案件と、それを共に進めるチームメンバーとコミュニケーションすることが何より重要なのではないかと考えます。

もし今現在はPMではないけれど、こういった職種に興味を持ってくださっている方であれば、私のおすすめは上述のフローを一通り理解できるようになるためのアクション、例えば小規模だとしても何かしらのプロダクト開発を自分自身で行ってみる、といったことです。

長文になりましたが、読んでいただきありがとうございました。

P.S. メルカリ社として、Product Management職に期待していることについては、このサイトの内容もよく考えて作られているので、参考にしていただけると幸いです。


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