【VAPEレビュー】それは甘い香り sin
というわけで、お待たせしております。みやもと春九堂@不審者です。こんばんはこんにちはおはようございます。
さて、HiLIQさんが端午節臨時休業になったりしていて、大きな進捗報告ができるところまではいかないのですが、現状で報告できる進捗としては
【1】ぼくとの渉外担当になってくださっている方が商品実装の決定権を持つ市場部の方とお話を進めてくださっているということ。
【2】いただいたHiLIQさんからのサンプル(ぼくが企画書で提出した5レシピ+HiLIQさんがオリジナルで作ってくれた3つのサンプル)の中から、こちらからはセット販売で3品ずつ販売できないかと持ちかけたということ。
【3】さすがにそこまで広げてしまうと単価が高くなってしまうと、それはできないので1種類を選ぶ形にして欲しいと求められたこと。
【4】1種類だけ、となるとベースとなる「ピーチ&ココナッツ」になるわけですが、確かにそれだけでもHiLIQさんで扱っている他のリキッドとカクテルすることで、それぞれある程度以上の再現、また好みの比率による再現が可能だということで納得したこと。
例)個人的に評価の高かった+ストロベリーや+マンゴーは、ストロベリーリキッドがHiLIQさんで単体販売されているので、これを同時購入して自分でカクテルする(タンクにリキッドチャージする、または別のボトルを用意して混ぜて試してみる)ことが可能。これもまたVAPEというガジェットの楽しみ方の一つであるといっても過言ではない。
【5】しかしながら、どうしてもこればかりはHiLIQさんで扱っている既存リキッドとのカクテルでは再現不可能なものがあったので、なんとかもう1種類ねじこめないかとお願いしてみたところ、なんと通ったということ。
【6】代わりといってはなんですが、「みやもとさんがリキッドの名前考えてください(^^)」と割ととんでもないことを頼まれたこと。
【7】オーダーは「女の子の匂い」はダイレクト過ぎるのでNG。「イメージとしてはピンクとか初恋とかそんな感じで……」と頼まれたこと。個人的にはLOVE・PINK・GIRLとかも使いたくなかったこと。
【8】ネーミングセンスとかがクソザコナメクジ以下の塵芥未満なので散々悩んでいくつか素案を出したところ、「これいいですね。これで行きましょう」と通ってしまったこと。
【9】市場部の方でOKが出た場合、販売の形態としては30mlのユニコーンボトル専売になること。
――そして、本当にクソザコナメクジ以下の塵芥未満なネーミングセンスで申し訳ないのですが……
ピーチ+ココナッツのベースリキッドの仮タイトルは
『Sweet Memories』
既存リキッドのカクテルでは再現不可能なのでねじこんでもらった方のリキッド。
つまり「ベースリキッド+バラ」のリキッドの仮タイトルは
『Princess Rose』
になったということです。
あいたたたたたたた! 本当におはずかし! クソザコセンスで申し訳ありません! でも通ってしまったので、これで市場部の方やもっと上層部の方に「やっぱりNG」とかいわれてしまわない限り、パッケージができ次第、リキッド内容も多少ブラッシュアップされて販売実装にこぎつけられるかと思います。
いや……本当にぼく自身が一番びっくりしています。まさかこんな短期間でこんなことになるとは夢にも思いませんでした。Twitterの方にも書きましたが、ぼくは「面白そうなんでやっているだけ」ですし、HiLIQさんも「面白そうだからやってみましょう」とのってくださっているだけなので、どこでコケてしまうかはわかりませんが、もうしばらくあたたかい目で見守っていただければ幸いです。
なおリキッドがどんなに売れたとしてもぼくの懐には一銭も入ってくる予定はありませんので、安心してください!
さてさて閑話休題。
あれからも何人かの友人VAPERにサンプルを試煙してもらいました。そして一つの仮説に辿り着いたので、今回はそのお話を少々。
まず大前提として、本記事の第一回冒頭にも書きましたが、このリキッドのスタートラインは『若い女性特有の甘い匂いがラクトンC10/C11』、それぞれピーチの香りとココナッツの香りというものに同定されたことに始まります。
ですが、ぼくが自前で作ったリキッドも、HiLIQさんが作ってくださったサンプルも厳密には「ラクトンC10/C11」ではありません。ラクトンについてはWikiったりググったりしてもらえればいいのですが、臭い成分の化学的構造式です。
これを香料化することができれば、実際の『若い女性特有の甘い匂い』を再現できる可能性は非常に高くなり、その技術こそが、本研究を重ねたロート製薬の『deoco』シリーズになります。
では、ぼくやHiLIQさんが作ったリキッドはなにか、といいますと。これは自然界に存在する「桃」「ココナッツ」の風味を再現した合成香料です。ですから根本的に成り立ちが違います。
ロート製薬さんから発表された研究結果に天恵(変態的発想)を受けた一介の不審者が、「ならばVAPEリキッドで同じ風味の香料を使ってリキッドを作れば、イメージ的には似たようなものが作れるのではなかろうか」というものがスタートラインです。
つまり、まとめてしまえば、このリキッドは正確な情報に近い模倣ですらなく「着想から作り上げたイメージ上のファンタジー」だということです。そのあたりをよくよくご理解いただければと思います。
しかしながら、自前でリキッドを作成したところから、HiLIQさんに企画書とレシピを送り、サンプルを受け取って何度も試煙を重ねるにつれて、一つの面白い経験に辿り着くことができました。
特にベースリキッドなのですが、この匂いは人工香料をベースに作られた組み合わせではあるものの、確かに「人の出す匂い」に近いという感覚をうけるということです。VAPEのリキッドはPGとVG、それに人工香料と甘味料などで構成されているわけですが、当然ケミカルに類されます。
なので、どんなリキッドであっても、その風味は「まがい物」であり「人工物」であり、場合によってはケミカル過ぎて喫煙することを躊躇うようなことすらあります。が、このリキッドに慣れてくると、それが「ない」んです。「消える」といっても過言ではないかもしれません。単純にチェーンスモーキングによる嗅覚疲労かもしれませんが(笑)。
それこどろか、このリキッドをベースにして他の香料やリキッドや香料をカクテルすると、カクテルしたリキッド単体を喫煙するよりも「自然に喫煙が出来る」という不思議な感覚があります。
この事象に対してぼくは一つの仮説をたてました。それはこの「ピーチ&ココナッツ」がまがい物のケミカルリキッドであったとしても、やはり「人間が発するとある匂い」に非常に近しいのではないか、ということです。
人間は思っている以上に嗅覚から様々な情報を得ています。最近発表された仮説で面白かったのは思春期や第二次性徴期を迎えた娘さんがお父さんの臭いを毛嫌いするようになるという、割とよく耳目にする家庭内問題ですが、これが「近親婚を避ける為に、近しい遺伝子を持つものが発する臭いを忌避するためのヒト種の生存本能の発露である」というものです。
なるほど、と思わず膝を打ちました。確かに中年男性の加齢臭や体臭はお世辞にもいい臭いとはいえませんが、それにしても忌避されすぎじゃなかろうかという疑問に対して、なかなかの説得力があるのではないかと思った次第です。
つまりことほど左様に、人間が嗅覚から得る情報は、その効果を認識する・しないに関わらず精神や行動にまで影響を与えてくるものだということです。
この話から繋げるのは聊か強引ではありますが、ベースとなる香りが「人体、それも若い女性が発する特有の甘い体臭」であるならば、その上にさまざまな香りを混ぜ合わせることで「『いい匂いだ』と好意的に受け容れやすい」のではないかと考えたわけです。
意識して使用していた呼称ではないのですが、ベースリキッドはあくまでもベース。その上に様々なリキッドや香料を足して、「理想の女の子の匂い」に辿り着くという飽くなきファンタジーの追求。それこそがこのリキッドの楽しみ方なのかもしれません。というか、ぼくはそういう方向で楽しむ予定です。
なので、繰り返しになりますが、ベースリキッド「Sweet Memories(仮)」だけを購入して「こんなもんかー」と考えずに、HiLIQさん、またはHiLIQさん以外のリキッドメーカーさんでも構いませんので、ベースだけ喫煙して落胆せずに、色々ベースリキッドとカクテルしてみて「理想の女の子の匂い」をリキッドを求めてガンギマリの領域へとファンタジーの翼を大きく広げてみてください。
――販売実装にしっかり漕ぎ着けられたら、ですが(笑)。
さて、現場からは以上です! 次回は初心者向けVAPEスターターキットについて!
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