コンサル転職ケース対策②個人向け大豆ミートの市場規模と市場拡大施策は?
大豆ミートの市場規模
基本方針
事情規模は以下の式表されますが、消費率や消費量は属性によって変わってくると思われるため、セグメントして考えたいと思います。
・市場規模 = 人口 × 大豆ミート消費率 × 消費量/年 × 単価
- 大豆ミート消費率 = 金銭的余裕率 × 自炊率 × 高健康意識率
- 消費量 = 肉の消費量 × 内食率 ×大豆ミート代替率
商材特性
個人向け大豆ミートの消費傾向として、以下のような特徴があるのではと考えられます。
・調理が必要になるので、消費は個人ベースというより、世帯ベース
・高齢者では少なく、20後半~40代の健康感度が高い人の消費が多そう
・肉より高価であり、調理の知識も必要なことから、金銭、時間的余裕のある世帯での消費が多そう
セグメント
以下の4つのセグメントで考えたいと思いますが、④の世帯に関しては、年齢的に大豆ミートの消費はほとんどないと考え、推定からは除外します。
①単身世帯:2000万世帯(2000万人)
②2人世帯(世帯主60歳以下、子供なし):500万世帯(1000万人)
③家族世帯(世帯主60歳以下、子供あり):2000万世帯(7000万人)
④複数世帯(世帯主60歳以上):1000万世帯(2500万人)
セグメントごとの大豆ミート消費率
$$
\begin{array}{|l|l|l|l|l|l|} \hline
セグメント&金銭的余裕&自炊&健康意識&消費率&世帯数\\ \hline
①単身&40\%&10\%&1\%&0.04\%≒0.05\%&1万世帯\\ \hline
②2人&60\%&40\%&2\%&0.48\% ≒ 0.5\%&2.5万世帯\\ \hline
③家族&50\%&80\%&2\%&0.8\%&16万世帯\\ \hline
\end{array}
$$
セグメントごとの大豆ミート消費量
$$
\begin{array}{|l|l|l|l|l|l|} \hline
セグメント&肉消費量/日&内食率&大豆ミート代替率&消費量/日\\ \hline
①単身&50 g&50\%&5\%&1.25g\\ \hline
②2人&100 g&60\%&5\%&3g\\ \hline
③家族& 200g&80\%&5\%&8g\\ \hline
\end{array}
$$
以上より、それぞれのセグメントによる年間消費量と、合計を計算すると…
①単身:1万世帯 × 1.25g × 365日 = 4562.5kg
②2人:2.5万世帯 × 3g × 365日 = 2万7375kg
③家族:16万世帯 × 8g × 365 = 46万7200kg
→ 49万9137.5kg ≒ 50万kg
また、単価は鶏肉や豚肉よりもやや高い200円/100g = 2000円/kgとすると、市場規模は…
50万kg × 2000円/kg = 10億円
大豆ミートの市場規模拡大施策
ターゲットセグメントの選定
フェルミ推定が正しいとすると、家族で生活している世帯の消費量が最も多く、消費世帯率、消費量共に伸びしろがあると考えられます。
更に、家族世帯は主婦/主夫が、他の構成員の食事をまとめて作ることから、単身世帯の1人1人にPRをするより、主婦/主夫にアプローチをして、他の構成員の分まで大豆ミートを買ってもらうほうが効率的と言えます。
消費量を増やすうえでは、大豆ミートを消費する世帯の割合を増やすのと、1世帯当たりの消費量を増やすという2つの方法がありますが、フェルミ推定が正しいとすると、消費する世帯の割合を増やすほうが伸びしろが大きそうです。
以上から、主に家族世帯の主婦/主夫をターゲットとして、大豆ミートを消費する世帯の割合を増やすこと=新しいユーザーの取り込み、が目標となります。
ターゲットの細分化
更にターゲットのペルソナを考えてみたいと思います。大豆ミートの消費を考える際に、金銭的余裕があり、健康意識が高い層の相性が良いと思われます。
一方で、現実にはこのような、最も親和性の高いセグメントに限っても大豆ミートの消費率は多くないと思われるため、この層の開拓を考えたいと思います。
課題の推定
となると、考えなくてはいけないことは、「なぜ主婦/主夫は大豆ミートを購入してくれないのだろう」ということになります。
主婦/主夫が食材の購入パターンを3つのプロセスに分解して、それぞれの過程にどのような「買わない理由」があるのか、検討してみたいと思います。
①何を買うか緩く考えながら買い物に向かう
まず、この段階で考え得る課題を、大豆ミートを知っている or 知らないの二軸で考えてみたいと思います。
a) 大豆ミートを知らない
b) 大豆ミートを知っているが…
b1) 購入する気にはなれない(興味がない)
b2) どのように調理していいのかピンと来ていない(興味はある)
ターゲットセグメントでは、b2、aが多いのではと考えられます。
②スーパーで献立を考えながら食材を物色する
この段階で考えられる課題としては、陳列場所にたどり着かないという懸念です。
おそらく、主婦/主夫層は生鮮食品売り場を中心に回り、例えば缶詰や乾物コーナーは用事がないと行く機会は少ないと思われます。そのため、缶詰コーナーの横などに陳列されると、気づかれずにスルーされている可能性が高いと考えられます。
③良さそうな食材を見つけて価格と思い浮かべるレシピに合えば購入
買い物客が大豆ミートが販売されていることを認識した後の買わない理由としては、以下の2つが有り得ます。
c) 美味しそうに思えない
d) 献立への組み込み方がピンとこない
マーケティングの4Pで検討
先ほどの課題を踏まえたうえで、マーケティングの4Pを使って打ち手を考えてみたいと思います。
・Price
そもそも、経済的余裕がある層を対象にしているので、価格面の打ち手はあまりないと考えられます。
・Product
商品の品質を上げて美味しくするという手はあると思いますが、今回はリピート率でなく、新規客をメインに考えているため、こちらも可能性は薄いと考えられます。
・Promotion
大豆ミートについては、大々的な宣伝は行われていないという印象なので、ここを改善することで、大豆ミートを知らないという課題や、献立へ組み込むためのレシピがピンとこないという課題を解決できる可能性があると思われます。
ただ、大々的な宣伝が行われていない理由としては、市場が大きくない中で、TVCMのようなマス向けの広告は費用対効果が合わないと判断されているのだと推測されます。
そのため、マス向け広告というより、主婦/主夫にスポットでアプローチできる施策が良いと考えられます。
ここで、1つ有効な施策として考えられるのは、リテールメディアを活用し、スーパーの売り場で大豆ミートや大豆ミートを使ったレシピに関する広告を流してもらうことです。
・Place
一般的なスーパーに置いてあることは多いと思いますが、粒度を上げると、肉の代替品であるものの、肉売り場に売っているところを見かけたことはあまりありません。こちらに関しても改善の余地がありそうです。
具体的には、肉売り場に一緒に使われることの多い食材と一緒に陳列してもらうといったことが考えられます。
施策の立案
以上より、イオンなどの大手スーパーと組んで、リテールメディアを使って大豆ミートの広告やレシピ動画を売り場で流しつつ、配置場所も精肉コーナーに変更してもらう、更にはレシピ動画で使われている他の食材と一緒に陳列してもらうという施策が考えられます。
スーパー側にとっても、リテールメディアの収益もありますし、大豆ミートのような高単価商品が他の食材とセットで購入されることによる利益増が見込めるのではと考えられます。
この施策自体は、どの大豆ミートメーカーでもできる競合有意性のない施策ですが、大手スーパーといち早く手を組み、競合排他条項を設けた契約でリテールメディアの発注などをすることで、二番手の追随は防げるのではないかと思います。
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