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ハイブリッドイベント ライブ配信のウラ話

みなさん、こんにちは。
渡辺俊平です。(@ShumpeiWatanabe)

2023年4月14日(金)に開催された 第11回 UiPath Friends 全国 ~知る・出会う・広める~春のLTワールド! は、申込者173名スピーカー総勢18名が集結して大盛況のうちに幕を閉じました。このnoteではハイブリッドイベントにおけるライブ配信の裏側についてご紹介いたします。

実際の配信映像は、ぜひ下記よりご覧ください!

1. ハイブリッド開催をする意義

コミュニティメンバー同士で会いたい!話したい!スピーカーや自動化仲間とのリアルな交流を楽しみたい!一方で東京には行けないが、その様子をリモートで全国各地から楽しみたい!SNSを通じた交流を楽しみたい!
これを実現するために、UiPath Friends ではリアル会場の様子をライブ配信でオンラインに届けるハイブリッドスタイル」のイベント開催に取り組んでいます。

ハイブリッドでイベントを開催するときのメリット・デメリットを比較してみました。メリットは会場という「物理的な制約」をオンライン視聴で解放できること、また全国各地から参加・登壇が可能になりました。
一方でデメリットは、会場とオンライン参加者との熱量差が生じ、その交流がとりにくく、たまたま隣に座った人と話すセレンディピティが起きる確率は低くなります。またハイブリッドなイベント運営は難易度が急増します。

今回の参加者の内訳は下記の通りでした。スピーカーと運営メンバーも会場参加につき会場が約60名、オンラインが約110名となりました。会場に多くの方が集まって開始前から交流が進んでいたので、会場特典としてリアルな交流ができる点をもっと打ち出しても良いと実感しました。

申し込み状況


2. ハイブリッド配信のチャレンジ

ハイブリッドイベントでは、会場側の映像・音声に加えて、オンライン側に映像と音声を配信する必要があります。
まず会場の様子はコチラ。

なお会場の人数が想定よりも増えたため、プロジェクターと同じ映像を映すべくスクリーンを急遽増設しました。上記の写真の右側エリアに配置しています。

会場のみならスライドを映すPCとプロジェクターをつないで、マイクを用意すれば終わりなのですが、これをオンライン側に配信することで一気に運営のハードルが上がります。

2.1 ハイブリッド環境の機材構成

これを実現するための会場の機材構成はコチラ。(同じチームの同僚に見せたらこの辺りでギブアップされました…)

配信機材の構成図

配信する映像は、配信PC上のOBSで作りこみました。OBSをスタジオモードで利用し、右側の配信画面をプレビューモードで会場スクリーンと確認用に手元のディスプレイに映す構成にしました。
OBSに取り込む映像は、ATEM Miniをスイッチャーとして利用してプレゼン映像をPCのパワポもしくは、Zoomの画面共有に切り替えています。Zoomを入れた理由は、今回は登壇者がご自身のPCでライブコーディングする様子を映す必要があり、持ち込みPCでの即セットアップして調整するよりもZoomの画面共有のほうが確実かつ安定して映せるためです。なお、スピーカーは会場からの登壇につき音声は会場のマイクを利用しました。(Zoom登壇者の画面共有とスピーカー映像をハイブリッド配信すると、さらに難易度が上がります。)

配信する音声は、オーディオインターフェースLive Track -L8を利用してマイク3本から音声を入力しつつ、会場スピーカーSRS-XG500から音を出しています。なおこのスピーカーにしたのは、マイク入力があり持ち運びができてBluetooth接続で会場のミュージックも流せるため、将来的に屋外イベントでも利用できるのではないかと思ってです。
登壇者のカメラ映像は、ビデオキャプチャーを介して配信PCに直接取り込みました。

2.2 ビデオを音声付きで流したい

オープニングムービーを3DCGで制作いただく監督さん(@satogonsan2)よりありがたい演出のリクエストをいただいています。これを会場とオンラインの両方に流すことが難しく、特に音声面にハマリました。
今回の方式は、OBS側にビデオファイルを読み込ませ、オーディオ詳細のプロパティより「音声モニタリング:モニターと出力」の設定とし、PCの出力音声をオーディオIF LiveTrack-L8のLine入力にに戻しつつ、会場とオンライン配信側に流しました。

OBSオーディオ詳細のプロパティの設定

2.2 会場・オンラインとの音声バランス

会場では問題なく聞こえているけれど、オンライン側では声が小さい。人によって声が聞こえにくい。今回はアトラシアン社のコミュニティマネージャーである新藤さん (@shindoy) にスペシャル助っ人としてサポートいただき、音声面の調整を裏でご対応いただいていました。登壇者の声のボリュームとマイクの距離感に合わせて会場スピーカーがハウリングしないように音声の調整をご対応いただいていました。これは職人技で音声専任の担当の有無では、各段の違いが出ると体感しました。本当に感謝しております!

2.4 その他会場セッティング

ケーブリングと養生は大切ですね。準備段階で、何回か引っかけてHDMIケーブルが抜けてしまいました。また会場のカメラ映像が暗いというフィードバックがございましたが、会場そのものの照明の影響もありコレの改善には、ライトの増設が必要となり、TVで照明さんがいる意味が深く理解できました。今回は配信まわりのセットアップのみで約3時間かかりました。(会場セッティングは運営メンバーやUiPath社員数名にてカバーいただきました)

2.5 ハイブリッドでの配信回り役割分担

できるだけ分散することがベストです。兼務する数がミスの発生確率の上昇につながります。この他にも物理会場の運営に必要な受付やタイムキーパー、会場案内係などの役割もあるためバランスとメンバー集めも大切になります。

ハイブリッドイベントに必要な役割


3. まとめ

ハイブリッドイベントの開催には、リアル会場のみ or オンライン開催のみよりも多くのチャレンジがあります。一方でそれを乗り越えて達成できるものもあります。UiPath Friends ではコミュニティを通して、全国のユーザーさんが自動化ノウハウを共有・発信し、ユーザーさん同士で交流し学び合うことを志向しています。嬉しかったのは、「福岡から来ました、名古屋から来ました」、「わたしの地域でもイベントやりたい」「初めてオンライン参加したけどまた参加します」といった方々がいらっしゃること。

イベントの目的にもよりますが、必ずしもリアル会場に行けないこともある中で、ハイブリッドイベントでその様子を全国に届けることは、有意義な価値があると考えています。今後はパブリックビューイングで各地域発のハイブリッドイベントを見ながら、地域ごとに集まって交流するスタイルも復活してくると面白そうです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

4. 参考リンク

今回の会場

主な配信機材


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