最長片道切符【準備編①】「3ヶ月かかります」

いざ申し込み

2024年7月4日、一枚の紙を持って東京駅八重洲口の全線きっぷ売場に向かった。旅の出発予定は8月3日だ。一般的なきっぷであれば当日でも発券できる。しかし、今回発券する切符はいわゆる最長片道切符。日本一複雑な片道乗車券である。何日前から依頼ができるのかわからないので、一か月前なら間に合うだろうと思い、順番を待った。

八重洲の窓口にて

予め用意しておいたルートや連絡先などをまとめた紙を見せると同時に窓口氏に「竹松から長万部までのきっぷで来月の4日からのをお願いしたいのですが。」と言った。こちらとしても当然、今日中に発券できるとは思っていない。おそらく、そのことも伝わったのだろう。窓口氏は裏に確認しに行こうとした。すると、おそらく話を聞いていたであろう隣の窓口氏がこちらを見て言った。「発券には3か月かかる」とのこと。旅が始まる前から雲行きが怪しくなってきた。いくら夏前だからといって3ヶ月かかることはないだろうと思いつつ、お礼を言って窓口を去った。

長くても1ヶ月あれば手に入れられると見込んでいただけに、全く想定していなかった事態に陥ってしまった。場合によっては、様々な駅のみどりの窓口をひたすらまわることになるかもしれないという一抹のを抱えながら、丸の内側に向かった。この時ほど自由通路が短く感じたことはなかった。

丸の内の窓口にて

東京駅にはみどりの窓口がいくつかあり、何分待ちかも知ることができる。そのまま丸の内の地下の窓口でもよかったのだが、なんと20分待ち。その一方、南口の窓口は5分待ちとなっていた。わざわざ混雑している窓口に並ぶ必要はないだろうと思い、南口に向かった。しかし、南口の窓口では丸の内地下北の窓口に行くように案内された。

やはりこちらの窓口は混雑しており、列には何の切符を買うか尋ねる係員もいた。二つ前の客、一つ前の客と尋ねて行って紙に記入をしていた。自分も聞かれるのかと思ったが、スルーされた。よほど人相が悪かったのかと思ったが、次の人もスルーしているようだった。違う仕事があったのだろうと思いつつ自分の順番を待った。

ついに自分の番になった。窓口氏に、「来月の4日からなんですけど、、、」と言いつつ紙を見せた。一言二言交わした後、窓口氏は裏に確認しに行った。東京駅でダメだったらどうしようかと思いつつ窓口氏を待った。しばらくして戻ってきた。無事申し込めそうだ。予め紙には氏名や連絡先などを書いておいたので、情報の確認だけして、後日連絡するとのこと。なんともあっさりと終わった。

ルートの確認は何度も行ったためミスは無いと思うが、もしかしたらミスがあるかもしれないと思うと少し心配ではある。

今回の旅のルート選び

最長片道切符とは文字通り「日本一長い片道乗車券」である。この「日本一」の解釈次第で様々な派閥がある。どれが正しく、どれが間違いという話ではなく、自分がやりたいものを選ぶべきであろう。

北上か南下か

2024年春の根室本線の一部区間の廃止に伴い、最長片道切符のルートは大きく二つの流派に分かれる。今までのように稚内から南下する「運賃計算キロ派」と九州から北上していく「営業キロ派」だ。北海道新幹線が札幌まで開業すると、どちらの派閥も稚内から南下するルートのなるようだ。せっかくなら時代を表す北上ルートにしようと思う。

BRTかIGRか

もしBRTもIGRもどちらも利用できるというなら、当然どちらも乗車する。しかし、両方を含むものは発券できないという見方が強く、スケジュールを組むうえで、不安定要素は取り除くべきと思い、片方のみを選ぶことにした。より長く鉄道に乗車したいということで、今回はIGRルートを選択した。

今回のルートは下に示した通りだ。竹松駅から長万部駅に向かって北上していく。

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あとは東京駅からの電話を待つのみ。

次回：最長片道切符【準備編②】「いざ発券！」