目に見えない何かに支配される

　少し調子が悪いなと感じるときは決まって低気圧が近づいてきている。転んでひざを擦りむくとか、薄着で出歩いて風邪を引くとかなら納得できるが、目に見えないものによって体調が左右される、ということに関しては腑に落ちない部分が多い。

　それでも、雨の日は気分が落ち込むし、外が晴れているだけで素敵な一日が始まりそうだとわくわくする。そうやって毎日天気や気圧に踊らされている。

　目に見えない気圧に自分の体調の実権を握られているなんて馬鹿馬鹿しいけれど、もしかしたら世の中そういうもののほうが多いのかもしれない。我々を支配する目に見えない何か。

　人とのしゃべるときだって、誰かにメールを送るときだって、その先の結末は既にもう目に見えない何かは知っている。この前は優しく接してきてくれた友達が、今日はなんだかそっけない。そういうの、いちいち気に病んでたら終わんないよってわかってるけど、また目に見えないものが友達の気分を上げ下げしてるんじゃないかと勘ぐってしまう。